国立感染症研究所 感染症情報センター
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FETP
 FETP修了生からのメッセージ

●8期生としてFETP修了後、鹿児島大学病院 医療環境安全部で院内感染対策に従事しています。FETPで学んだサーベイランス手法や、実地疫学調査で経験した疫学データの収集と解析、集団発生防止対策、様々な職種の専門家との連携等が実際の業務のなかで活かされていると感じています。県内の保健業務に関わる機会も増えましたが、以前はよく分からなかった行政の仕組みや考え方なども、FETPに参加して少し理解できたことで、互いの立場から、より実践的な対策を考えられるようになりました。FETP修了後も研究班に関わって活動する機会をいただき海外での調査や学会発表を行えたのも貴重な経験となっています。今後も病院内にとどまらず広いフィールドで活動したいと考えています。

●FETPに参加して、Field epidemiology を中心に多くのことを学びました。同期で助け合い、大規模事例の疫学調査を行うことは、FETPでなければできない貴重な経験であると修了後に強く感じています。時、人、場所の疫学の3要素を意識しながら、現場の限られた情報をまとめることで実践力を養う ことができます。私も現職で疫学の必要性を訴えることでFETPに参加する後輩が続くことを望んでいます。

●防衛省陸上自衛隊からの派遣で、FETPでの研修に参加しました。研修は、6つのコア・カリキュラムで構成されており、非常に有意義な内容でした。特に、感染症集団発生の疫学調査については、実地でon the job training として調査手法を学ぶことが出来る貴重な機会だと思います。感染症や疫学に興味がある方は、ぜひ、FETPの門をたたいてみてください。

●平成4年に福井医科大学卒業後、呼吸器内科医として京都で病院勤務を続けていました。呼吸器感染症だけでなく、広く他臓器を含めての感染症に興味をもつようになりました。感染症は個別の臨床医学だけでなく、社会や集団を対象とした感染症疫学の知識と経験が重要と考え、FETPに参加しました。修了後は京都市に入り、市役所と保健所を往復しながら感染症対策に関する業務に従事しています。現場では制御と予防、そして対話が重要といわれますが、迅速かつ有益な、そして市民にわかりやすい疫学調査の実施を目指して、今も学習を続けています。

●FETP終了後、インドネシア国にて、鳥インフルエンザ・サーベイランスシステム強化プロジェクトに長期専門家として参加しています。このプロジェクトは、国際協力機構(JICA)が支援しているものです。 FETPで学んだサーベイランスと疫学対応が、少しでも現地の人々のために役に立てることができれば、という思いで日々過ごしております。今後、国際協力の分野においても、FETPの存在感は増していくことを期待しております。

●看護師として研修を受けさせていただいた9期生です。専門は感染症の予防・ケア、教育プログラム開発です。感染症臨床に関わるなかで、アウトカムにつながる予防戦略の重要性Evidence Based Public Healthの重要性を痛感いたしました。2年間学ばさせていただいたField Epidemiologyは看護の領域にとっては新しい切り口でありますが、対象のもっとも近くにいる看護師にコンセプトやスキルを伝えていきたいと思っています。修了後は看護大学・大学院で教育にあたっています。

●病院薬剤師として感染症治療や院内感染症対策に従事してきましたが、その中で、疫学の重要性を痛感し、実地疫学を学ぶことができる本コースに志願しました。2年間の研修期間には各自のテーマによる長期研究を行いますが、調剤薬局の処方箋情報を活用した公衆衛生活動についての研究を通して、薬剤師にとって疫学の視点を持つことは、病院においても調剤薬局においても、非常に有意義であることを痛感しました。FETPで身につけた知識と経験、人脈を今後の感染症薬剤師としての活動に生かしていきたいと考えています。

●私は東京都からFETPに派遣され、現在は島しょ保健所小笠原出張所に勤務しています。場所は、本土から1000Km離れた父島(小笠原村)にあり、この地で保健活動に従事しています。スタッフは、合計7名、都内で一番小さな保健所です。住民に身近なサービスは村が行っていますが、感染症、結核、精神保健、難病、健康診断、栄養、食品衛生、環境衛生について保健所の果たす役割は大きく、地域住民の健康向上に貢献しています。FETPではサーベイランスの重要性を学んだこともあり、新型インフルエンザ対策として島内の学校で欠席者サーベイランスを導入しています。また、日頃から感染症情報の収集にも努め、小笠原版の新型インフルエンザ情報を発信しています。このようにFETPで身につけた考え方や知識を活用し仕事を行っています。将来は、FETPでの経験を生かし、東京都の感染症対策に従事したいと考えています。      

●FETP を修了しまして、現在は横須賀市保健所に勤務しています。中核市の保健所ですので、感染症関連は担当業務の一部にしか過ぎませんが、国立保健医療科学院で学んだ煙草対策、がん対策、健康教育などの知識もとても役に立っています。修了早々新型インフルエンザの発生があり、現場で対策に従事させていただいています。医療従事者、学校関係者や高齢者や保育施設の職員等を対象に何度か新型インフルエンザの講演をさせていただきましたが、 FETP で学んだスキルは、リスクコミュニケーションでも有用だったと感じています。研修中は、研修内容が多岐にわたるので、それぞれの意義を熟慮しながら研修を進めていく余裕はなかなかないかと思いますが、修了して現場に従事すると役に立つことばかりです。親身になって指導してくださったコーディネーターの先生方や秘書さんに大変感謝しております。

                                             

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