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高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)――更新13

 2004年1月30日 WHO(原文

 


家禽類における感染拡大を中国が確認

中国の保健農業当局筋は本日WHOに対し、高病原性鳥インフルエンザH5N1株の集団発生の拡大を報告した。検査診断によって確定された集団発生が湖南、湖北両省で検知された。

広西省のアヒル農場における、検査上確定された高病原性鳥インフルエンザH5N1株の集団発生は27日に公表された。

本日の発表によると、家禽類での集団発生は安徽(Anhui)省、上海市、広東省においても検知されている。当局によると、これら地域における高病原性鳥インフルエンザH5N1株の家禽感染は、疑い例である。これらの集団発生にかかわるトリからの検体は、中国国内で原因病原体の確認のための検査が行われている。

感染が広がっている各省の地方当局は、関連農場において直ちに家禽の処分と検疫を行った。家禽のワクチン接種の義務化が実施された。

現時点では中国において、ヒトのH5N1感染例は出ていない。

ヒトに対するH5N1ワクチンの開発:検体と分離ウイルスの必要性

中国で家禽類のあいだに、検査によって確認されたH5N1感染が拡大していることから、WHOは再度、現在H5N1の集団発生が発生しているすべての国々からの、検体と分離ウイルスの提供が必要であることを強調する。これらの材料は、WHO世界インフルエンザ・ネットワークにおいて行われている、実験室での研究を支援するために必要である。

現在までのところWHOネットワークの研究施設は、カンボジア、日本、韓国、ベトナムの各当局から提供された、現在進行中の集団発生にかかわるウイルスを分析した。インドネシア、ラオス、タイ各国で集団発生をおこしているウイルスは、分析のために近々入手できる予定である。

ネットワークの研究施設は現在、企業がヒトに対するインフルエンザのH5N1株に対して有効なワクチンの生産に使用するための、WHOが推奨できるプロトタイプ・ウイルスの開発に努めている。これには、ヒトとトリ両方のウイルスが必要である。これらのウイルスからの情報は、WHOと協力機関が十分に検討し、許認可を受けたヒトへのワクチンを、可及的速やかに、確実に入手できるようにすることを支援する。

家禽の処分にかかわる労働者の防御

より多くの国々が家禽類の大量処分を発表する中で、WHOは引き続き、それにかかわる労働者における個人的防御対策の必要性を強調する。家禽の処分や飼育に携わる人のような、高リスク群へ的を絞った今季の(ヒト)インフルエンザワクチンの接種は、世界的流行の可能性を持つ新型インフルエンザウイルスの亜型の出現の機会を減らすための、幾つかの対策の内のひとつとして推奨されている。本日、H5N1感染のリスクがある人への、今季の(ヒト)インフルエンザワクチン接種に関するガイドラインが発表された。

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(2004/2/2 掲載)