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コレラは1〜5日(通常1日以内)の潜伏期の後に、下痢や嘔吐で急激に発症する腸管感染症である。殆どの場合、腹痛や発熱はみられない。典型的症状は激しい水様性下痢(重症例では米のとぎ汁様)と脱水であるが、近年の報告症例では軽症であることが多い。しかし、胃腸の弱い人(胃切除者など胃酸の働きが低下している人)や高齢者、乳幼児では重症化して死亡することもあり、軽視できない疾患である。 コレラは1999年4月施行の感染症法に基づく2類感染症として、疑似症患者、無症状病原体保有者を含む症例の届出が、診断した全ての医師に義務づけられた。2007年4月施行の法改正により、3類感染症に変更され、患者及び無症状病原体保有者が届出対象(疑似症患者は対象外)となった。また、WHOの報告基準では、コレラはコレラ毒素産生性の血清型O1およびO139コレラ菌によるものと定義されており、わが国でも同じ定義を用いている。 過去の年間報告数は1999年(4月〜)39例、2000年58例、2001年50例、2002年51例、2003年24例、2004年86例、2005年56例、2006年45例であり、毎年平均すると50例前後の報告であったが、2007年は13例と著減した(図1)。 2007年の13例の報告では、疑似症が1例(1〜3月の診断分)あり、無症状病原体保有者はなかった。疑似症を除く12例では、性別は男性7例、女性5例で、年齢中央値は60歳(30〜71歳)であり、推定感染地域別では国内が4例、国外が8例であった。死亡の報告はなかった。但し、届出時点以降での死亡については十分反映されていない可能性があり、届出時点以降で患者が死亡した場合の追加・修正報告を自治体に依頼している。 12例について報告された症状をみると、下痢・軟便は全例にあり、米のとぎ汁様の下痢は2例であった。その他、脱水6例、嘔吐5例、体重減少2例、無尿2例、虚脱2例、筋痙攣1例が見られた。また、1例で胃切除歴があった。 診断のための検査は、届出基準に従い、全例が便からの菌分離と毒素の確認がなされていた。毒素確認方法は、毒素産生の確認6例、PCRによる毒素遺伝子の確認4例、両方による確認2例であった。 国内を推定感染地域とする4例は、性別では男性3例、女性1例であり、年齢群別では30代1例、50代1例、60代1例、70代1例で、年齢中央値は60.5歳(35〜71歳)であった(図2)。感染した都道府県(推定又は確定として報告されたもの)は、青森県、福島県、栃木県、東京都が各1例で、報告の限りでは、疫学的関連性があると考えられる記載はなく、すべて散発例と考えられた。季節性については、従来国内での感染は7〜9月に集中する傾向が認められていたが、最近は明らかな季節性はなくなっていると考えられており、2007年の4例の発症月別も、1月、7月、8月、12月が各1例であった。コレラ菌の型は、すべてO1小川型であった(図3)。生物型は、エルトール型2例、不明2例であった。
国外を推定感染地域とする8例は、性別では男性4例、女性4例であり、年齢群別にみると、30代1例、50代3例、60代2例、70代2例で、年齢中央値は60歳(30〜71歳)であった(図2)。推定感染国(および発症月)別はインド4例(4月2例、5月1例、6月1例)、フィリピン1例(5月)、タイ1例(10月)、パキスタン1例(5月)、米国1例(9月)であった。8例のコレラ菌の型は、O1小川型3例(感染国は、インド、タイ、フィリピン各1例)、稲葉型5例(インド3例、パキスタン1例、米国1例)であった(図3)。生物型は、エルトール型6例、不明2例であった。
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