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病型別累積報告数は、臨床診断例303例(40.9%)、検査診断例245例(33.1%)、修飾麻しん(検査診断例)193例(26.0%)となっており、臨床診断例と修飾麻しんを含めた検査診断例の割合が昨年と逆転し、過半数を占めた(図4)。 年齢群別では0〜4歳301例(40.6%)、15〜19歳72例(9.7%)、20〜24歳/35〜39歳57例(7.7%)、10〜14歳55例(7.4%)、5〜9歳51例(6.9%)の順となっている(図5)。年齢別では、1歳140例、0歳74例、2歳42例で、0〜2歳、特に1歳が患者発生の中心であり(図6)、2008年に認められた、14〜17歳の患者の集積は認められなかった。
麻しん含有ワクチンの接種歴別の報告数は、接種歴なし176例(23.8%)、1回接種352例(47.5%)、2回接種32例(4.3%)、接種歴不明181例(24.4%)となっており、1回接種者が最も多く、次いで接種歴不明者、ワクチン未接種者の順であった(図7)。 麻しんの合併症について、肺炎合併例は19例の報告があったが、全報告数に占める割合は2.6%であり、昨年(223/11,007=2.0%)と有意差はなかった(p=0.3)。年齢、または年齢群別では、0〜1歳の症例で約半数を占め、特に1歳が7例(36.8%)と最も多かった(図8)。年齢群毎の総報告数に占める肺炎合併例の割合は、9歳以下の年齢群で高い傾向だった(図9)。最も症例数の多かった1歳児で、ワクチン未接種者と1回接種者で肺炎の合併頻度を比較したが、有意差はなかった(OR=1.77, 95%CI 0.3-9.97)。脳炎の報告は無かった。
2008年4月1日より、5年間の期限付き措置として、1回しか定期予防接種(以下、定期接種)の機会がなかった年齢層のうち、第3期(中学校1年生相当年齢)、第4期(高校3年生相当年齢)の年齢の者に対する2回目の定期接種が導入された。中学校、高校などの学校現場では、定期接種対象年齢の者における麻しん罹患歴や麻しん含有ワクチン接種歴の積極的な把握とワクチンの接種勧奨がなされている。しかし、2009年9月4日時点の2008年度麻しん含有ワクチン接種率最終評価によると、全国平均で第1期94.3%、第2期が91.8%、第3期が85.1%、第4期は77.3%と、第3、4期の接種率が90%にもとどいていない状況である。折から、3月1日(月)〜3月7日(日)までの7日間は、保護者を始めとした地域住民の予防接種に対する関心を高め、予防接種率の向上を図ることを目的として、日本医師会、日本小児科医会、厚生労働省の主催で「子ども予防接種週間」が予定されている。この期間は、平日の夜間、土曜日、日曜日にも予防接種が受けられるようにしている機関もある。定期接種対象者(1歳児、小学校入学前1年間の者、中学1年生相当年齢の者、高校3年生相当年齢の者)で、まだ接種を済ませていない者、特に進学、就職を控えている高校3年生相当の者は、この機会を是非利用して接種を受けることが勧められる。 上述したように、麻しんの報告数は2008年の11,007例と比較し、93%減少の741例となった。同様のペースで減少が続けば、2012年には排除が可能となるはずである。しかし一方で、このように麻しんの症例数が少なくなると、感染経路が不明で、臨床症状のみでは他の発疹性疾患と鑑別が困難な例が増加している。したがって、麻しんの検査診断が重要になる。確実な検査診断は、感染拡大予防のための迅速な対応に繋がる。また、麻しん排除に向けては、ウイルス学的検査による、麻しんウイルスの存在の確認や、海外での感染が疑われる症例での遺伝子型の確認などが必要である。現在、全国の地方衛生研究所でこのようなウイルス学的検査診断が可能な体制となっている。麻しんを疑った医師には、是非、保健所を経由して地方衛生研究所での検査診断を実施して頂きたい。 以下に、麻しん関連情報として感染症情報センターのホームページに掲載されている主な項目とそのURLを挙げる。麻しん対策として活用いただければ幸いである。 ■麻疹(はしか):http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html |
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