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オウム病は、オウム病クラミジア(Chlamydophila psittaci )を吸入し、1〜2週間の潜伏期間を経て、突然の発熱、咳(通常は乾性)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などの症状が出現する疾患である。ときに、肝脾腫や比較的徐脈(高熱のわりに脈拍が速くならない)が認められる。胸部X線像ではスリガラス様陰影を呈し、いわゆる異型(非定型)肺炎像を示す。高齢者や治療が遅れた場合などには重症化し、致死的のこともあるので、注意が必要である。オウム病の発生動向については、1999年4月の感染症法の施行以前は定点把握疾患の「異型肺炎」に含まれており、独立した疾患としての実態は不明であった。感染症法では4類感染症に規定されて全数把握疾患となり、診断したすべての医師に届け出が義務づけられている。
この様に、年間の届け出数を過去4年間(2002〜05年)でみると、鳥展示施設での集団発生を除き、40例前後である。都道府県別では特に大阪府32例、東京都27例が多く、一方、1例も報告のない県が5県(秋田県、山形県、富山県、徳島県、鹿児島県)みられた。集団発生としては、家族内のものを除き2001年に動物公園(5例)、2002年に鳥展示施設(17例)、2005〜06年に鳥展示施設(3例)がみられた。 254例を性別でみると、男性111例、女性143例で女性にやや多かった。年齢は1〜90歳(中央値:53.5歳)で、年齢群別では0〜9歳2例、10〜19歳8例、20〜29歳18例、30〜39歳37例、40〜49歳41例、50〜59歳57例、60〜69歳50例、70〜79歳36例、80〜89歳4例、90歳以上1例であった(図2)。この様に、50代をピークに幅広い年齢層にみられるが、30歳未満では少なく、30歳以上が全体のほぼ90%を占めていた。性別・年齢群別にみると、男性では50代をピーク(1〜90歳、中央値58歳)としているのに対し、女性では30代をピーク(11〜88歳、中央値49歳)としていた。
発症日の記載があった234例について発症月をみると、4〜5月が多かった(図3)。病原体や媒介動物等との接触または生息場所での活動として、「動物等との接触の機会あり」、あるいは推定される感染源・感染経路等として「動物等からの感染あり」と報告されたものは226例あった。動物等の種類としては、「ヘラジカ」と記載されたものおよび詳細不明を除く206例で、鳥類が推定されていた。鳥類の種類についてはインコが推定されたのが141例、ハトが推定されたのが26例、オウムが推定されたのが14例であった(図4)(例数は重複して計上)。同疾患または同様の症状を有する者の有無については、「同居者にいる」が56例、「同じ職場や学校等にいる」が15例、「その他」が17例あり、全体の34.6%で周囲に同疾患または同様の症状を有する者がみられた。
しかし、CF法は属共通抗原を用いて行われており、同様の症状を起こすクラミジア肺炎(病原体はChlamydia pneumoniae )でも上昇するため、勧められない。確定診断には、種の特定が可能なmicro-IF法などによる検査が必要である。届出基準でも、血清抗体検査としては原則としてmicro-IF法によることとされている。Micro-IF法による検査は必要に応じて、一部の地方衛生研究所や国立感染症研究所、また一部の研究機関などに検査依頼することができる。 (感染症発生動向調査週報 IDWR 2006年第16週掲載) |
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