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SARS(重症急性呼吸器症候群)

WHO ガイドライン・勧告

WHO logo WHOの国際的SARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワーク:流行間期における政策と手法(抄訳)

 WHO 2004/1/23(原文PDF


1.はじめに

 WHOはSARSコロナウイルス(SARS−CoV)のヒトでの感染連鎖が、2003年7月5日に断ち切られたと発表し、したがって流行は終焉した。SARS症例が再出現する際には、ウイルスは以下の3つの感染源、即ち、動物、実験室事故、人間社会における気づかれていない感染伝播の循環鎖のいずれかから再興してくるに違いない。しかし再興の源が何であれ、その迅速な検知と特定診断は、新たな流行を起こすおそれのある新規症例の再出現を防ぐために極めて重要である。7月5日以後に、実験室事故(シンガポール、台湾)および、動物宿主あるいは汚染された環境(中国)への曝露による、いくつもの検査により確認されたSARS−CoV感染例が起きている。これら症例では死亡した症例も二次感染も起こっていないが、流行につながるSARSの再興の可能性があることを明瞭に示した。流行後の期間においては、すべての国々がSARSの再出現を警戒し、再興時にはそれを検出し対処し得る能力を維持している必要がある。

北部地域が冬季へ向かい、インフルエンザの活動性が強まる可能性がある状況の中で、SARSの検知と診断に関する問題、そして極めて低い罹患率の下で、大量の検査が行われる際に発生する可能性のある、偽陽性結果の対処方法について検討するため、2003年10月22日に検査診断の専門家グループによる会議が開かれた。

専門家グループによる主要な提言:

1.研究室の検査法および検査手技に関する、精度維持の計画と標準化の確立;

2.SARS−CoV感染が疑われる症例の確認検査を行うために、WHOの「SARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワーク(WHO SARS Reference and Verification Laboratory Network)」を確立する。これら検査施設には、参加資格条件として精度保証計画(quality assurance programme)の実動メンバーであることが求められる;

3.すべての孤発例(流行性ではない)のSARS−CoV感染が疑われる症例は、感染が起こった国以外の、WHO リファレンスおよび確認研究施設による検査結果の確認を行うことが必要;

4.SARS−CoV陽性対照血清を確保し、そのパネル開発を支援する;

(*:研究開発、病態解明などに用いる目的で、異なる血清を一同に集めたもの)

5.疫学的・地理的リスク評価に基づいて、SARS−CoV感染に関する試験を患者に行う必要度を査定するアルゴリズム(手順)を開発する;

6.検査がウイルス増殖を含む場合はBSLレベル3の施設で、また検査が増殖なしの生きたウイルスを扱う場合は、BSLレベル2の施設でBSLレベル3の病原体に対する実験手技で実施する必要がある、SARS−CoVを含む可能性がある診断用検体の取り扱いや、SARS−CoVの培養を行う検査施設における、バイオセーフティー指針の認証を行う;

7.各国がSARS−CoVを取り扱う検査施設の一覧と、これら施設におけるSARS−CoV培養物の目録を保持するよう強く勧奨する。

これら提言の全文は下記に示されている。

  http://www.who.int/esr/sars/guidelines/en/SARSL.abmeeting.pdf

本文書は、提言の1〜3のみを示す。他の提言については他所で取り扱われる予定である。

2.研究施設ネットワークの構造と機能

WHOの「SARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワーク」は、2003年終盤に樹立された。これはSARS流行中の2003年3月に、WHOにより確立された研究施設ネットワークを主体とし、より地理的な代表制を持たせるために、数ヶ所の研究施設が加えられた。これら研究施設の一覧は付録1に示す。各研究施設はネットワークに参加するように正式な招聘を受け、そうすることで、定期的な精度維持計画に参加することを含む、加盟条件の受け入れに同意した。現在ウイルス検出と血清学の両面で多くの異なる検査が用いられており、また将来的に開発される可能性もあり、これらの中には信頼性に関し証明されていないものもある現状を考慮すると、この後半の条項は重要である。そしてまた、SARS−CoV感染の診断に用いられるすべての診断検査の結果が科学的で、社会的な信頼性が得られることが必須である。

2.1 検査実施の目安

WHOは、流行後の期間におけるSARS要観察例(persons under investigation for SARS)については、臨床医、疫学者、検査診断の専門家らが検討することを推奨している。SARS−CoV検査による偽陽性結果がより発生する可能性が高い、低リスク状況下においては、個々のあるいはクラスター(患者集積)の原因が、臨床的または疫学的にSARSによる可能性の根拠がある場合にだけ、SARS−CoVに関する検査が実施されるように、確実にトリアージ(選別する)機構が働く必要がある。これは乏しい資材の不適切な消費や、医療機関と公衆衛生対策チームの不必要な動員による、保健医療システムを疲弊させる危険を避けるためである。

2.2 検査診断に必要な臨床検体

SARS−CoV感染の検査診断の信頼性は、採取された臨床検体の種類、採取時期、採取方法に大きく依存する。さらに、検体は良く訓練された者により採取されることも必要条件である。従って少なくとも、ウイルス分離と急性期血清用としての血漿あるいは血清検体と共に、呼吸器検体は発症後の第1週のうちに採取することが重要である。もしスタッフと他の患者を守るために十分な感染防御手法が執られているならば、理想的には呼吸器検体に鼻咽頭吸引物を含むべきである。呼吸器と便検体は、最もウイルスを検出する可能性のある検体であることを認識し、ウイルス分離とRT−PCR(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)による検出のために、第1週と第2週中に常に採取すべきである。血清学的検査のための血清検体も、急性期と回復期の血清を同時に検査し抗体価の上昇を検出するために、第2週および第3週に採取すべきである。動物コロナウイルスからの証拠によって、SARS−CoVのヒトでの持続感染が起こる可能性が示唆されており、そして実際に、便からはウイルスが長期に排出されているが、このウイルスが再感染の原因になりうるかどうかは不明である。

臨床検体は、採取時にあるいは、清潔でSARS−CoV株に関する進行中の作業が行われていない安全な検査施設の中で、3検体に分割する必要がある。分割した第1の検体は地方の診断検査施設で検査し、第2の検体は未開封のままで、国家リファレンス研究施設でのみ使用し、そして第3の検体は確認が必要になった場合に、WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設で使用できるように、保存しておかねばならない。

2.3 外部機関での確認

地方の診断検査施設(local diagnostic laboratory)、あるいは国家リファレンス研究施設(national reference laboratory)において臨床検体が陽性という結果が出た時は、外部での確認が必要となる。外部のどのWHOのSARSリファレンスおよび確認用研究施設ネットワークの参加施設で確認作業を行うかの選択は、国家保健当局が行う。WHOはもし依頼があれば喜んで助言する。選ばれたネットワークの参加研究施設が、発送検体を受け入れ可能と指示した後に初めて、適切な発送の調整を行う。検体発送のためのすべての梱包は、国際規格に適合していなければならない。これに関してはWHOウェブサイトhttp://www.who.int/csr/sars/biosafety2003_12_18/en/ にある、「WHOによる集団発生期後のSARS―CoV検体と培養の取り扱いに関するバイオセーフティ指針*」を参照することができる。

(*感染症情報センターによる訳:http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update101-BS.html

現在利用可能な、最も有効な診断検査はウイルス遺伝子上の情報をもたらすもの、特に遺伝子断片あるいは培養したウイルスの、RT−PCRまたはリアルタイムPCRであることを認識することが重要である。RT−PCR検査の重要性は、比較的早期の診断をするのに使えることであり、多くの検査施設の精度管理(quality assurance)検定の結果から、大部分の試験施設が低い疑陽性発生率でこれら検査を実施できることが示されたことにある。RT−PCRの陽性検体は、上述のように第2の未開封の検体を用いて国家リファレンス研究施設により再検査され、そしてまた、地方診断検査施設によっても、独立して別に採取された第2の検体を用いて反復検査される必要がある。それに続いて、適正な生物学的封じ込め施設においてでウイルス分離を行うことは、系統発生的および疫学的な研究にとって特に重要である。

血清学的検査は、有意なレベルでの陽性検体の見逃しと、偽陽性結果があることを精度管理検定によって最近示されたが、改善されつつある。急性期と回復期のペア血清が利用でき、両方を同時平行で検査した時に、抗体価の4倍以上の上昇が見られ、PCR産物が得られないかウイルス分離されなかった場合には、国家リファレンス研究施設そして、WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設により、最終確認と抗体価上昇が別のヒトコロナウイルスによるものではないことを確認するために、ウイルス中和試験が実施される必要がある。第2の関連ウイルスが疑われる場合には、ウエスタンブロット法が有用となる可能性もある。

第3世代技術が順調に開発されれば、別のそしてより特異的な診断検査法が利用できるようになるかもしれず、そしてより優れた特異性、安全性、速度をもたらすかもしれない。

3.SARS診断のWHO手法とSARSリファレンスおよび確認研究施設の役割

SARS−CoV感染の、時宜を得た、正確、効果的なウイルスの分離、同定、確認を行う国際研究施設ネットワークを確立することは、SARSのサーベイランスと感染制御対策を強化するに当たり極めて重要である。このネットワークはまた、このウイルスとそれが引き起こす病気についての理解を増して行くうえでも貢献する。

提案されたその過程は、3層の研究施設のネットワーク(即ち、地方の研究所、国家リファレンス研究施設、そして国際リファレンス研究施設)であり、各々は明確に定められた責務を持つ。

1. 地方研究所は、標準化された手法を用いて、SARS−CoV感染の初期診断に関連するサービスを提供しなければならない。通常ここではRT−PCRと血清学的検査を実施することは可能であるが、適切な生物学的封じ込め設備を持っていない限り、ウイルス分離またはその培養は行わない。非流行期においてSARS−CoV感染を示す陽性診断結果が出た場合は、確認と更なる検討のために指定された国立リファレンス研究施設に(報告と検体を)送り、国の公衆衛生当局に報告する。感染制御対策を開始する必要がある。もしこれらの暫定的な検査所見に加えて、強力な臨床および疫学的証拠が存在する場合には、国家公衆衛生当局はWHO地域事務局およびジュネーブのWHO本部に情報提供しなければならない。

2. 国家リファレンス研究施設は、要観察例の結果の確認検査と、ウイルス分離を含む詳細検討を行わなければならない。この段階では、疫学および臨床的所見を一部参照し、陽性結果は「可能性例(probable case)」として国際的に発表されることになるであろうし、また患者から採取されたすべての検体は未開封のまま、WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークの当事国以外の参加施設に、確認のために送られる。この確認研究施設の選択は、国家リファレンス研究施設、あるいは国家公衆衛生当局により行われる。

3. WHOSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークの参加施設は、SARS−CoV感染のすべての「可能性例」の確認作業を行う責任を負っており、そしていかなる国家保健当局や国家リファレンス研究施設からの要請があった場合はいつでも、これを行う責務を負っている。「疑い例(suspect case)」の確認およびその検査結果の確認は、この症例を「確定例(confirmed case)」に格上げするために必要である。WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークはまた、必要な生物学的封じ込め設備のある国家リファレンス研究施設を持たない国について、診断施設の役割も果たす。WHOは、自国でSARS−CoV検査設備を持たない加盟国のために、ネットワーク研究施設のひとつにおいて検査を行うように支援する。

3.1 血清学的診断における注意の必要性

SARS−CoVとその関連ウイルスについては未だ、多くの未解決の問題がある。特に、他のヒトコロナウイルス(OC43と229E)と動物コロナウイルスが、血清学的交差反応と免疫学的記憶の呼び起こし現象(抗原原罪説)(antigenic recall,original antigenic sin)を誘発することに関して、どのような役割を果たしているかについては未解決である。非流行期における血清学的データでは、特にウイルス遺伝子配列のデータが得られない時は、ある程度の注意を払って解釈をする必要がある。ウイルス中和試験は、他の血清学的テストでは交差反応抗体が出現するような場合にも、SARS−CoVに特異的な抗体を識別することが期待される。おそらく、発現蛋白を用いてウエスタンブロット法によって検討することで、この問題は解決できるかもしれないが、関連するヒトコロナウイルスとの共感染は、更にさらに鑑別は困難になる。これらやその他の要因によって、解釈が複雑になるような事例があることがしられており、それゆえに、WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークの代表が、判断が難しい症例において必要性が証明された場合には、職権上の再評価専門家委員会(ex officio expert panel of review)として行動することも考えられる。

WHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークのその他の役割としては、地域の枠組の中でのSARS診断の訓練や、診断方法や試薬に関連する助言の提供が含まれる。

SARS−CoVを取り扱う作業においては、検査施設での安全が主要課題である。SARS診断、確定、確認作業に関係するすべての検査施設は、「WHOによる集団発生期後のSARS―CoV検体と培養の取り扱いに関するバイオセーフティ指針」に記載されている、必要な予防策をすべてとることが強く求められている。この文書は、以下のWHOウェブサイトから入手できる。(http://www.who.int/esr/sars/biosafety2003_12_18/en/

(日本語:http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update101-BS.html

上記の手法に含まれた対策方法は、シンガポールと台湾での実験室感染した2例の確認において、またごく最近では中国広東省で発生した2例の孤発例の確認においても有効に利用された。WHOはこれらの症例の診断、確定、確認における透明性が、この様な症例の診断と感染制御における、国家保健当局の能力に対する社会的信頼を生むのに大いに役だったと信じている。

4.検査結果に対する解釈

検査結果の解釈は以下の指針に従って行われるべきである。この指針は、SARS−CoV関連ウイルスが動物に発生し、ヒトへの感染も起し得る場合に、またSARS−CoVに対する抗体がOC43や229Eなどの他のヒトコロナウイルスと交差反応する場合、あるいはその逆にOC43や 229Eに対する抗体がSARS−CoVと交差反応する場合に起こり得るあらゆる問題を考慮に入れている。多重PCR(multiplex PCR)法を用いれば、両方のウイルスの遺伝子断片を検出する方法を提供することができるが、SARS−CoVとヒトコロナウイルスの共感染は血清学的に診断することは依然困難であると考えられる。

4.1  RT−PCR陽性検体 または / あるいは ウイルス分離

もし検体がRT−PCRでSARS−CoV陽性となるか、あるいは検体(血液、呼吸器系試料、便、尿など)からウイルスが分離されたならば、同じ検体の第2の未開封検体が第2の試験施設で陽性となることが必要であり、且つ、第2の別個に採取された検体もまた陽性とならなければならない。感染を起したウイルスが、関連ウイルスではなくSARS−CoVであることを確認するためには、PCR産物の塩基配列を決定することが重要である。増幅用に選択した領域がSARS−CoVに特異的で、他の既知のコロナウイルス間で共有または保存されていないことを注意して確認する必要がある。

4.2  血清学

もし急性期と回復期血清が最低8〜10日離れて採取され、IFA(免疫蛍光抗体法)、十分に特性を確認された抗原を使用したELISA(酵素免疫測定法)、また他の血清学的テストで両血清を同時平行で試験したときに4倍以上の抗体価上昇があれば、疑い例の指標として考慮すべきであるが、ウイルス中和試験による確認を行う必要がある。このウイルス中和試験を実施するという注意を払うことは、少なくとも他の1種のヒトコロナウイルスであるOC43との交差反応抗体の可能性があるために、強く推奨される。交差反応の原理と交差反応が起こる条件がさらに解明されるまでは、ウイルス中和試験の利用は確認作業における必須項目とされるべきである。

5.試験施設における結果の報告

SARSに関する国際的な報告という目的から、加盟各国は「可能性例(probable)」と「検査による確定例(laboratory−confirmed cases)」についてのみ、WHOに対して公式に報告することが求められている。しかしながら、SARSの未確認情報に対して示される世界的な関心の高さから、急性呼吸器疾患のクラスター(患者集積)とSARS要観察例(under investigation for SARS)でリスクが高い人、あるいはそのいずれかについてWHOに報告することは、加盟各国、報道機関、一般の人々に情報を正確に提供することを促進すると考えられる。

国家リファレンス研究施設によって陽性と確認されたすべての症例(「可能性例」)は、「検査による確定例(laboratory−confirmed cases)」として国際的に発表される前に、少なくともひとつのWHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークに属する当該国以外にある施設に検体送付し、確認なされる必要がある。 症例の確定 には、臨床的および疫学的データが含まれていることが要求されていることを覚えておかれなければならない。

確認のために検体が送付されるWHOのSARSリファレンスおよび確認研究施設ネットワークの参加施設は、確認検査の結果を最初に検体送付元の国立公衆衛生当局に報告し、続いてその許可を得てから、WHO地域事務局とジュネーブのWHO本部に報告しなければならない。検査依頼をした国家当局により公表されるまでは、検査結果は機密扱いとする必要がある。

この文書は新しい診断技術や、他の関連情報が入手できるにつれて、変更および更新されるものであることにご注意ください。

(WHO2004年1月23日発表)

原文:http://www.who.int/csr/resources/publications/en/SARSReferenceLab.pdf



付録1: WHO SARSリファレンスおよび確認のための

検査施設ネットワーク

参加者

(この一覧には、追加および削除が発生する可能性があります)

Victorian Infectious Disease Laboratory, Locked bag 815, Carlton, South Victoria 3053, Australia (Contact: Dr Mike Catton; Tel: 0061 (3) 9342 2637; Fax: 0061 (3) 9342 2666)

National Microbiology Laboratory, Health Canada, 1015 Arlington Street, Winnipeg, Manitoba R3E3R2, Canada (Contact: Prof Frank Plummer; Tel. 001(204) 789 2070; Fax: 001(204) 789 2140)

National Institute for Communicable Diseases Prevention and Control, China CDC, P.O. Box 5, Changping, Beijing 102206, Peoples Republic of China (Contact: Professor Xu Jianguo; Tel. 0086 (10)

61739577, Fax: 0086 (10) 61730233;nt of Microbiology, Faculty of Medicine, Prince of Wales Hospital, Shatin NT, China, Hong Kong Special Administrative Region (Contact: Professor John Tam; Tel: 00852 (2) 632 2329; Fax: 00852 (2) 636 5851)

Head of Virology, Government Virology Unit, 9/F Public Health Laboratory Centre, China, Hong Kong
Special Administrative Region (Contact: Dr Wilina Lim; Tel: 00852 (2) 319 8252; Fax: 00852 (2) 636 5851)

Department of Microbiology, University Pathology Building, Queen Mary Hospital, China, Hong Kong
Special Administrative Region, (Contact: Professor Malik Peiris; Tel: 00852 (2) 855 4888, Fax: 00852 (2) 855 1241)

Unite de Genetique, Moleculaire de Virus Respiratoires, National Influenza Centre, WHO Collaborating
Centre for Reference on Influenza and other Respiratory Viruses, Institut Pasteur, 25 rue du Docteur Roux, 75724 Paris CEDEX 15, France (Contact: Dr Sylvie van der Werf; Tel: 0033 (1) 4568 8725; Fax: 0033 (1) 4061 3241)

 

Bernhard-Nocht Institute for Tropical Medicine, Department of Virology, Bernhard-Nochtstr. 74, 20359 Hamburg, Germany (Contact: Dr Christian Drosten; Tel: 0049 (40) 4281 8421; Fax: 0049 (40) 4281 8400)

 

WHO Collaborating Centre for Reference and Research on Influenza and Department of Virology, National Institute of Infectious Diseases, 4-7-1 Gakuen, Musashi-Murayama-shi, Tokyo 208-0011, Japan; (Contcat: Dr Masato Tashiro; Tel: 0081 (42) 565 2498; Fax: 0081 (42) 565 2498)

 

Erasmus University, National Influenza Centre, Institute of Virology and WHO Collaborating Centre for Arboviruses and Haemorrhagic Fevers, Reference and Research, Dr. Moleaterplein 50, P.O. Box 1738,

3000 Rotterdam, The Netherlands (Contact: Professor Albert D.M.E. Osterhaus; Tel: 0031 (10) 408 8066; Fax: 0031(10) 40894)

Virology Section, Department of Pathology Singapore General Hospital, Outram Road, Singapore 169 608, Singapore (Contact: Dr Ae Ee Ling; Tel: 0065 625 00659; Fax: 0065 63234972)

 

Special Pathogens Unit, National Institute for Communicable Diseases, University of Witwatersrand, Private Bag X4, Sandringham 2131, Republic of South Africa (Contact: Professor Bob Swanepoel; Tel 0027 (11) 386 6335; Fax 0027 (11) 882 3741)

Enteric and Respiratory Virus Laboratory, Central Public Health Laboratory, 61 Colindale Avenue, London NW9 5HT, United Kingdom (Contact: Dr Maria Zambon; Tel: 0044 (20) 8200 8686)

The Jerome L. and Dawn Greene Infectious Disease Laboratory, 1801 Mailman School of Public Health, Columbia University, 722 West, 168th Street, New York, NY 10032, United States of America (Contact: Dr Ian Lipkin; Tel: 001 (212) 342 9035; Fax: 001 (212) 342 9044)

Respiratory Virus Section, Centers for Disease Control and Prevention, 1600 Clifton Road, NE, Atlanta, GA 30333, Mailstop G-09, United States of America (Contact: Dr Dean Erdman; Tel: 001 (404) 639 3727; Fax: 001 (404) 639 1307)

ANIMAL REFERENCE LABORATORIES

CSIRO Australian Animal Health Laboratory, P.O. Bag 24, Geelong, Victoria 3220, Australia (Contact: Dr. Lin-Fa Wang; Tel: 0061 (3) 522 75121; Fax: 0061 (3) 522 75555)

Food Animal Health Research Program, OARDC, The Ohio State University, 1680 Madison Avenue, Wooster, Ohio 44691, United States of America (Contact: Professor Linda Saif; Tel: 001 (330) 263 3742; Fax: 001 (330) 263 3677)

COORDINATING QUALITY ASSURANCE LABORATORY

 

Robert Koch Institute, Nordufer 20, 13353 Berlin, Germany (Contact: Dr Matthias Niedrig; Tel: 0049 (30) 4547 2370; Fax: 0049 (30) 4547 2625)


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