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2003/5/22

重症急性呼吸器症候群(SARS)−61



WHOによる重症急性呼吸器症候群(SARS)
多国同時集団発生の報告
(5月21日、更新第61報)


SARSに関連したWHO旅行勧告を台湾全土へ拡大

報道機関への通知
SARS集団発生の特性の評価は現在も進行中であるが、WHOは現時点までの結果から現在予防的に、台湾(中国)への旅行を考えている人々へ、「どうしても必要な旅行」以外はすべて延期することを考慮するように勧告している。これは5月8日に発表された、台北への「どうしても必要な旅行」以外の渡航の延期を勧告した発表を拡大したもので、WHOが受け取った市郊外へのSARSの詳細な拡大状況に関する情報に基づいている。この暫定的な旅行勧告は、定期的に再検討される。

WHOが3月12日と15日にSARSに関する世界的警告を出したのに続き、各国の国家当局は「疑い例」と「可能性例」についてのサーベイランスを強化した。多くの国において初発例の迅速な検知と隔離により、その後の感染の伝播を完全に防止したか、または非常に少数に止めている。3月27日にWHOは、旅行に関連したSARSの感染の拡大を防止するための追加対策を勧告した。この勧奨している対策は、SARSの「最近の地域内伝播」があった地域から航空機を利用する旅行者のスクリーニングを含んでいるが、引き続き適用される。(WHO SARSウェブページを参考 [日本語][旅行勧告]) 

台湾(中国)におけるSARS集団発生の規模は、WHOによって慎重に再評価された。旅行勧告は、罹患症例数と毎日の新規症例の両方を含んだ、その地域における集団発生の規模に基づいて出される。地域内の感染伝播の程度と範囲や、この地域を越えて感染が拡大している可能性も、勧告を出す際の主要な理由となる。

WHOの旅行勧告は国際的に一般の人々の健康を守り、さらに世界的に感染が拡大する機会を減らすために出される。SARSは新興の感染症であり、今年の2月に初めて認知され、国際線による旅行ルートに沿って拡大している。予防的措置はSARSの被害を減じ、その流行が比較的初期の段階にあるうちにこの疾病を封じ込めることを目的としている。

SARSの状況は、一覧表に掲載している地域の旅行勧告に関する評価に変更が必要か、他の地域を追加する必要があるか、これらの地域で他の対策の追加が必要かについて、定期的に評価検討される。現在のWHOの旅行勧告は、どうしても必要な旅行以外を延期するように人々に勧告しているが、今現在以下の中国の諸地域に対して適用されている:北京、香港、広東省、河北省、内蒙古自治区、山西省、台湾、天津。


さらに詳しい情報が必要な方は以下にお問い合わせください:

 Dick Thompson - Communication Officer
 Communicable Disease Control, Prevention and Eradication
 WHO, Geneva
 Telephone: (+41 22) 791 26 84
 Email: thompsond@who.int

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