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※感染症発生動向調査週報の「読者のコーナー」にご寄稿をいただいた文書を掲載しています(IDWR 2011年第14号掲載予定)。 | |||
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欧州からの輸入と考えられた麻疹症例 |
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2011年4月20日現在 |
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症例 30代 男性 |
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【主訴】 | |||
【現病歴】 | |||
生来健康。2011年3月下旬にフランス国内のスキー場へ行った際に発熱、発疹を呈する小児と接触した。3月30日、震災関連の取材のため、単身来日した。4月4日より悪寒、発熱、咽頭痛、咳嗽が出現し、都内滞在先の近医を受診した。抗菌薬などの処方を受けたが、症状は改善しなかった。4月6日、頭部から全身に拡がる発疹が出現した。4月7日、再度同医を受診したところ、麻疹が疑われ、当科に紹介、入院となった。 |
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【予防接種歴】 | |||
家庭の方針で麻疹含有ワクチンを含めて接種を受けていない。 |
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【入院時現症】 | |||
意識清明、血圧110/60mmHg、心拍数90回/分、体温37.5℃(解熱薬内服後)、SpO2=95%(室内気)、頻呼吸なし |
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【検査所見(入院時)】 | |||
白血球2960/μl,赤血球488万/μl,血小板11.1万/μl,AST 37 IU/l,ALT 26 IU/l,LDH 289 IU/l(基準値119-229 IU/l),CRP 4.88 mg/dl,麻疹特異的 IgM抗体 12.87(カットオフ値0.8),麻疹特異的IgG抗体 4.8(カットオフ値2.0) |
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【入院後経過】 | |||
4月8日、保健所に麻疹発生届(臨床診断)を提出した。さらに、当日保健所から来院した医師・保健師に麻疹ウイルス遺伝子検査のための検体を提出した。同医師・保健師らにより本人同意の下、発症前後の詳細な行動や接触者について聴き取り調査も合わせて行われた。入院3日目には解熱し、Koplik斑は消失、発疹は色素沈着の傾向を示した。その後、合併症の兆候を認めなかったため、入院5日目に退院とした。 |
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【考察】 | |||
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本症例は、発症前10日前後にフランスで同症状者との接触歴があることや分離された麻疹ウイルスの遺伝子型が欧州で多いD4であることから、同地域からの輸入と考えられた。D4型麻疹ウイルスによる麻疹の発生については、2011年に入り、わが国でこれまで3件の報告がある。これらはいずれも欧州での曝露が疑われている(IDWR13:6-7,2011 http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/idwr/idwr2011/idwr2011-13.pdf)。日本での麻疹の予防接種率増加に伴い、国内での麻疹発生の抑制は期待されるが、逆に輸入感染症として対応する機会が増加することが予想される。実際、2011年1〜2月には広島県内において、海外からの輸入麻疹およびそれに引き続く関連患者の発生が報告されている(IASR速報 4/5掲載 http://idsc.nih.go.jp/iasr/measles.html)。 |
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(独)国立国際医療研究センター 国際疾病センター |
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参考文献 |
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Floret N, et al. Negligible risk for epidemics after geophysical disasters. Emerg Infect Dis 2006; 12:543-548 |
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(2011年4月21日 IDSC 更新) |
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