エコーウイルス20型の分離について  和歌山県

エコーウイルス20型(E20)は1984〜1987年の4年間に全国で各々21、12、4、1件の計38件が分離報告されているが、1988年以降の報告はない。

1996年7月、8月に和歌山県北部でE20が6名から分離されたので報告する。概要はの通り、髄膜炎3名、胃腸炎2名、肝機能異常1名で、予後はいずれも良好とのことであった。

ウイルス分離にはRD-18S、HeLa、Vero等の細胞を用いたが、RD-18S細胞のみで分離できた。同定は、まずEP-95 等のプール血清で行ったが、いずれも中和されなかったので、その他の単味血清に当たってみたところ、手持ちの古い抗E20に反応がみられた。しかし、この抗血清は若干細胞毒を示したため、国立予防衛生研究所の腸管感染ウイルス第2室より分与を受けた抗E20血清(WHO より分与)により検査を行ったところ、きれいに中和できた。県南部や12月現在での本ウイルスの分離は今のところない。

和歌山県衛生公害研究センター 今井健二 寺杣文男 石垣彰一

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