エコープール抗血清EP-95 の使用状況について
本月報Vol.17、No.11でお知らせしたエコーウイルス同定用抗血清プールEP-95 のその後の使用状況をお知らせする。これまでに21機関で使用され、195の分離株の同定に用いられた。このうち同定されたのは 180株で、9株は同定されにくい株であった。それぞれの型別は図に示した。分離数の多かったエコーウイルス(E)7型、E9やE25の同定には、おおむね有効なプール抗血清であったと考えられる。8つの型については数は少ないものの同定不完全な株が検出されたが、今後その理由を含めて検討すべきである。また、2つのプールで中和されるのではなく、3つ以上で中和されるとか、 CPEの出現のしかたがウイルスコントロールに比べ弱いから多少抗原抗体反応があるらしい、といった株の報告も6株についてあった。これらがエコーウイルスかどうかは別として、非特異反応の有無には注意を払う必要がある。いずれにしても、EP-95 がより多くの機関で使用され、良い点と改良点を早く見つけだしていただくことを願っている。そしてできるだけ早い時期に、エンテロウイルスのサーベイランスに貢献できるプール抗血清としたいと考えている。
エンテロウイルスレファレンスセンター
鈴木サヨ子 野口有三 栄 賢司 春木孝祐
森 正俊 福吉成典 萩原昭夫