アデノウイルス7型による急性呼吸器疾患−北海道

1995年以降、全国各地からアデノウイルス7型(Ad7)感染症の報告が多くみられる。北海道については、札幌市での事例を吉田らが報告している(本月報Vol.17、No.5)。本報告では1996年、北海道北部の一地区でみられたAd7感染症の流行についてその概略を述べる。

1996年4月以降、道北の総合病院小児科に急性呼吸器症状を有する患児が多数受診するようになった。受診数のピークは5月末〜6月末で、臨床症状は1週間以上続く発熱(40C前後)、咽頭発赤、滲出性扁桃炎などアデノウイルス感染を疑わせるものであった。また、肺炎、結膜炎、胃腸炎症状を有するものもみられた。入院患児を主とする17名についてHeLa細胞を用いてウイルス分離試験を行った結果、7名よりAd7が11株(咽頭;4株/16件、結膜;1株/15件、糞便;6株/10件)得られた。この7名のうち3名の家族に、に示すように急性呼吸器疾患の発症者がみられた。

家族の発症日は明確ではなく病原検索も実施していないが、臨床症状はそれぞれの症例と同様であり、潜伏期間からみて、この3例はいずれもその同胞から感染した可能性が強い。なお、病原検索を行った17名中、咽頭扁桃炎を発症した5歳女児の咽頭および結膜よりAd5が分離されている。40Cの発熱をみたが、持続期間は4日でAd7感染例が7日以上であるのに比べて短く経過した。明瞭な結膜炎症状は認めていない。同地区では、Ad7感染症とともにAd5による急性呼吸器疾患も散発的に発生していたのかもしれない。

北海道立衛生研究所 沢田春美 野呂新一

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