<速報>和歌山県におけるアデノウイルス7型の分離
和歌山県においてもアデノウイルス7型(Ad7)が分離された。まず、1997(平成9)年2月に1例分離され、少し間をおいた5、6月になって6例がさらに分離された。概要は表のとおりである。表中 No.2と3、No.5と6はそれぞれ兄弟(姉弟)であるが、前者(1歳、8カ月)では特に呼吸器症状が、後者(10歳、12歳)では胃腸炎症状がそれぞれ強く、いずれにしろ症状が重い、というのが担当医の印象であった。また、No.7では意識障害も見られている。
ウイルス分離には、FL、HeLa等の細胞を用いたが、FLでの分離率がよかった。また、同定は旧予研製の抗血清で行ったがAd3やAd11との交差は認められなかった。
今のところ患者の発生は、和歌山市とその周辺のみであるが、今後の動向に注目したい。
和歌山県衛生公害研究センター
今井健二 寺杣文男 石垣彰一