日本のエイズ患者・HIV 感染者の状況
1.本日、「エイズサーベイランス委員会」を「エイズ動向委員会」と改名。理由はサーベイランスという英語が一般国民に広く受け入れられていないことによる。「エイズ動向」とは「エイズ発生動向調査」の略称である。
2.今回(平成9年9月〜10月末まで)のエイズ動向委員会への報告は、患者48名(前回48名)、感染者88名(前回63名)の合計 136名(前回 111名)で、過去最高の報告数である。
前回と比較して、感染者が25名増加したが、そのうち21名は日本人感染者である。
3.特に、依然として患者・感染者は増加傾向を示しており、患者・感染者数 136名、特に日本人患者・感染者数 106名、異性間性的接触による日本人患者・感染者数48名、日本人男性患者・感染者94名はいずれも過去最高の報告数である。
4.今回、推定される感染原因が海外での異性間性的接触によるか、または国内の輸血のHIV感染によるかが不明の報告が1例あった。しかし、輸血が行われたのは昭和57年であり、輸血用血液製剤の製造番号等の記録が残っておらず、献血者の調査は不可能であった。なお、本症例に投与された輸血用血液製剤はすべて全血輸血であり、従って他の人に投与された可能性はない。
5.平成9年1〜10月の10カ月間の献血件数5,004,877人のうち、44人がHIV 抗体陽性と確認された。10万人当たり 0.897人というこの数値は、過去最高である(平成6年 0.545;平成7年 0.730;平成8年 0.729)。HIV 感染の可能性があると思う人は献血をしないよう注意を喚起するとともに、献血時の問診などによるチェックの徹底を図る必要がある。