大学生の間で発生した髄膜炎菌性疾患−英国

10月初旬3大学で髄膜炎菌性疾患が発生し、地域の伝染性疾患対策顧問チームが召集され、国による専門家グループの助言および既存のガイダンスに地域性を考慮し、感染対策が実施された。

1.Salford大学の同一の寮内に寄宿している2人の大学生が髄膜炎菌性疾患を発症。1人は回復、1人は重篤な状態。両者からNeisseria meningitidisが分離され、C2a P1.5と同定された。1例目の時には患者と密な接触をした者に対してCiprofloxacin(CPFX)の予防投与がなされたが、第2例目発症時には、同じ寮に寄宿する大学生 540人にCPFX予防投与と髄膜炎菌ワクチン(A+C)接種が行われた。

2.Wales Institute大学では2人の髄膜炎菌性疾患が発生、1人からはN.meningitidis Bnt P1.5、他の1人からはN.meningitidis B4 P1.4が分離同定された。両者はそれぞれ自宅に住んでおり、接触はなかった。家族にCPFXの予防投与が行われた。もう1人、両者と接触のない同大学の学生が髄膜炎菌性疾患の疑いで入院したが、病原の確定診断には至っていない。家族および同じ授業グループの学生にCPFXの予防投与が行われた。

3.Southamptom大学1年生の6人が髄膜炎菌性疾患に罹患、3人が死亡した。5人からはN.meningiti-dis C群がPCR で確認されたが、1人についてはまだ確認されていない。5人は同じ宿舎に住んでいたが、学部は異なっていた。宿舎が同一である同大学1年生 1,200人に、CPFXの予防投与とワクチン接種が行われた。後の1人は5人とは別の棟の宿舎に住んでいたが、その発生が明らかになった後、学年を問わずその宿舎に住んでいる学生すべて、寮に働くスタッフすべて、同時期に3日以上同寮内に泊まった人すべてに対して、CPFX予防投与およびワクチン接種が行われた。

(CDSC、CDR 、7、No.44&No.45、1997)

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