ヒトペスト 1995年−WHO

1995年にWHOに報告されたヒトペスト総事例数は、10カ国から、2,861人(死亡 137人)で、1994年の2,935事例(212死亡例)より少し減少した。ヒトペスト事例の減少は特にアジアにおいて顕著で、1994年の1,228事例(85死亡例)に対して1995年は186事例(11死亡例)であった。それとは対照的に、世界の総事例の90%に近い2,560事例がアフリカから報告された。世界における致命率は1995年が4.8%に対して、1994年は7.2%、1985〜1994年の過去10年間の年平均値は10%であった。

1981年〜1995年間の世界におけるヒトペスト発生状況をみると、25年間に21,087事例(1,931死亡例)が25カ国から報告され、年別にみると、最も多いのは1993年で、次に1994年、1995年と続いて、最も少ないのは1981年の200事例であった。1980年代の初めから、ペスト罹病率は世界的に確実に増加傾向を示し、1981〜1985の5年間に報告された事例数は、1981〜1995年の15年間に記述された総数の19%に対して、1986〜1990年の5年間は26%、1991〜1995年の5年間は56%であった。

大陸別にペスト分布状況を分析すると、少数の国がそれらの大陸の全体の流行状況を大きく左右し、例えば、15年間に、2国(マダガスカル、タンザニア)がアフリカのペスト総事例の63%を占め、ブラジル、ペルーがアメリカ大陸の総事例の84%を、ミャンマー、ベトナムの2国がアジアで報告された事例の79%を占めることが明らかになった。

(WHO 、WER 、72、No.46 、344、1997)

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