<資料>血漿分画製剤とパルボウイルスB19感染リスクについて
平成9(1997)年1月
厚生省薬務局
パルボウイルスB19は1984年に伝染性紅斑(リンゴ病)の病原ウイルスとして認知、命名されたウイルスで、一般的に飛沫感染により一過性の感染を起こすが予後は良好であることが知られている。今般、各種血漿分画製剤中にパルボウイルスB19のDNAがPCR法(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション法)で検出されたとする文献が企業より報告された(表)。パルボウイルスB19は他のウイルスに比べて加熱や膜(フィルター)などによる不活化・除去が容易でないため製剤中への混入の可能性を否定し得ないこと、また本ウイルス感染症が一般的には予後良好であるものの、一部患者において感染した場合には重篤な症状を招くことがあるとされているため、血漿分画製剤の使用上の注意事項を変更し、これら患者への使用に際し注意を喚起することが適当と考え、関係企業に指導した(平成8年11月11日)。
(医薬品副作用情報 No.141)