インフルエンザ脳炎・脳症を疑う患児からのウイルス分離状況−千葉県
1997/98シーズンにおける千葉県でのインフルエンザウイルスによる流行は、1998年に入り急速に拡大した。患者の立ち上がりの時期、発生ピーク(1月後半〜2月前半)は、ここ数年変わらず、県下全域に拡大流行している。患者数は、今シーズンが最も多く、学童が60%を占めている。流行ウイルスはA(H3) 型である。
流行前期ごろから、医療機関にインフルエンザウイルスによると思われる脳炎・脳症患児が散見し、当研究所に検査依頼があった。患児は9カ月児〜13歳児で、男児9人、女児8人(表)であり、3歳までが11人(64%、男児7人、女児4人)であった。ウイルス分離は咽頭ぬぐい液から8例、髄液から1例分離された。いずれもA(H3)型であった。また、死亡例も2例含まれている。
千葉県衛生研究所 市村 博 篠崎邦子 小川知子 山中隆也
小倉 誠 三瓶憲一 時枝正吉 水口康雄