麻疹ワクチンは命を救う他−英国

イングランドとウェールズで麻疹ワクチンが導入されたのは1968年である。1980年代の後半では麻疹は毎年50,000〜100,000名の患者と年平均13名の死亡がみられ、重症合併症は全患者の10%にみられた。1990年代頃より麻疹ワクチン接種率は向上し、1992〜94年では約80%となっており、それとともに死亡者は年間1〜2名となっている。この傾向はフランスもほぼ同様である。

最近MMRワクチン接種に伴って、自閉症、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患との関係についての報告が医学誌上で発表されているが、両者の関係については、WHOおよび英国予防接種委員会(Joint Committee on Vaccination and Immunization)などの調査によって、それぞれ否定されている。

現行のMMRワクチンは麻疹の予防に対して有効で安全なワクチンであり、単独接種を上回る利点がある。英国政府は、現行のMMR ワクチン戦略のあり方の考えは支持されるという書簡を、英国内のすべての医師に対して出した。

(CDSC、 CDR、8、No.11、 13&14、 1998)

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