輸入メジナ虫症、 1995&1997年−米国

メジナ虫症は幼虫に汚染された飲み水を通して伝播される寄生虫病である。感染してほぼ1年後に1mあるいはそれ以上の長い雌成虫が皮膚に現われ、2カ月以上患者を苦しめる。流行地ではメジナ虫症は激減しているにもかかわらず、稀に米国に輸入されている。1995年以来メジナ虫症の2症例が米国で報告され、両者ともスーダンからの輸入例であった。

症例1:9歳の少女が1995年9月にスーダンからテネシー州に移住してきた。少女はスーダンを去る前に右下肢からメジナ虫が出現していた。米国に着いた時、患部は治っていたが、3週間後に他のメジナ虫が左足から現われ始めたので感染症の専門家に紹介された。足は二次感染し、腫れ上がり、歩けなくなった。抗生物質の治療が行なわれたが、蜂窩織炎は改善されなかったので、患部は外科的に切開され、膿や壊死の残屑、そしてメジナ虫の断片を除去した。足首の傷の所を植皮するため2週間入院した。外来治療後、彼女は松葉杖がなくても歩けるようになった。

症例2:31歳の女性が1997年1月にスーダンからコネチカット州に移住してきた。1997年4月、結核の疑いで大学病院を訪れ、肺のX線写真で結核の病巣と左肺に虫体の石灰化像を見た。臨床検査では両下肢に直径4〜8cmの多数の硬化した卵形の病巣が見られた。患者は病巣が1年間存在していたこと、間歇的な痛みがあったことを述べている。また、長い糸状の虫が数年前に彼女の足から見出だされたことも記憶していた。

(CDC、 MMWR、 47、 No.11、 209、 1998)

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