<速報> 山形県で分離されたB型インフルエンザウイルス

今シーズン山形県では、他県と同様に1月中旬からA(H3N2)型を主流とするインフルエンザの流行が県内全域でみられ、集団発生も多く報告された。

本県でB型が分離されたのはやや遅れた1月下旬、村山地区の学年閉鎖のあった小学校で発生した集団カゼ様疾患患者からであった。

検体は患者の咽頭ぬぐい液で、患者20名中18名からインフルエンザウイルスB型が分離された。A(H3N2) 型の流行に平行し、県内の村山、最上地区にかぎり、少数ではあるがその後も分離は3月中旬まで続いた。

村山地区では、前述の小学校での集団発生の後は散発的に、最上地区では集団発生の届出はされていないものの、2月に同一中学校の生徒4名中4名からB型が分離されるなど散発の他に、集団的発生も確認されている。

B型分離株は、MDCK細胞培養初代で、ニワトリ赤血球に対しHA凝集価がおおむね256倍を示し、日本インフルエンザセンター分与のキットで型別した結果、B/三重/1/93血清に対しては反応せず、B/広東/05/94血清に対しては1:20を示した。

   表1.山形県におけるインフルエンザ月別分離株数
            (平成10年4月20日現在)
 1 月 2 月 3 月 合 計
A(H3N2)型2219130243
B型19***36

      * 19株中18株は村山地区の集団発生患者より分離
      **8株中4株は最上地区の同一中学校の患者より分離

山形県衛生研究所 青木洋子 村田敏夫 後藤裕子 村山尚子
芳賀小児クリニック 芳賀惠一
三條医院      三條加奈子

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