韓国における三日熱マラリアの再出現

韓国では1970年代にマラリアの国内における流行(土着マラリア)が終息したものと考えられていた。しかし、1993年に国内で感染したと推定される三日熱マラリアの患者が再び見出だされて以来、患者数が年ごとに3〜4倍ずつ増加しており、1997年には症例数が1,600を超えた。流行地域は北朝鮮に接する非武装地帯西部で、患者のほとんどは米韓軍人であるが、この中には一時期韓国にいた沖縄駐留米兵の1例がみられた。

媒介ハマダラカは、好獣血性で水田に棲息するAnopheles sinensisが主で、全症例がクロロキンとプリマキンの標準的治療で速やかに回復している。

流行の要因として、北朝鮮国内の1994〜96年の大雨による農作物の不作により、蚊の吸血対象となっている家畜頭数が減少したことを挙げているが、推測の域を出ない。

韓国における三日熱マラリアの流行は夏季の数カ月に限定されており、旅行者への感染の危険はほとんどないものと考えられる。

(CDC 、EID 、4、No.2、1998)

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