デング熱サーベイランス、1997年−シンガポール
疫学的特徴:デング熱/デング出血熱(DF/DHF)は1997年は4,300例あり増加している。患者のうち261人(6.1%)は東南アジアからの輸入例である。デングショック症候群による死亡が1人報告された。罹患率の最も高い年齢層は25〜34歳である。男女比は1.7:1である。三つの主な人種中最も罹患率の高いのは中国人(10万対100.8)、次にインド人(同60.7)、マレー人(同44.5)である。報告された症例のうち94%が血清学的に確認された。急性期血清 254の中でデングウイルスが分離された33件では、DEN-1が18(55%)、DEN-2が15(46%)であった。DEN-2は1997年後半における優勢な血清型であった。デング熱は年間を通して発生しているが6〜8月に報告が多かった。
蚊のサーベイランス:調査した家屋 720,408件中、Aedes aegyptiが3,361(0.47%)、Aedes albopictus3,999(0.56%)の割合であった。蚊の繁殖場所は植木鉢類(21%)、捨てられた容器(16%)、バケツ類(16%)、水溜まり(9.7%)、キャンバスシート(7.9%)であった。家屋のタイプでは空き家、学校で蚊の繁殖が多かった。シンガポールにおけるデング熱の発生率は1989年以来最高(10万対138.6)である。
(Singapore ENB、 24、 No.3、 13、 1998)