<速報> コクサッキーウイルスA16型による手足口病の流行−島根県

1998年4月下旬から県中部で手足口病患者の増加が認められ、2週遅れで東、西部ヘと波及し現在全県で流行中。

ウイルス分離にはAG-1、RD、Veroの各細胞と哺乳マウスを用いているが、Vero細胞で16株、哺乳マウスで8株、AG-1、RD細胞で2、3株のウイルス(未同定を含む)が分離されており、過去のコクサッキーウイルスA16型(CA16)流行時に比べ分離率は悪い。Vero細胞での増殖をみると、接種後3〜5日でCPEが出現するが、初代で分離できたものが1/3、残りは2〜3代の継代が必要で、増殖性の異なる株が混在している可能性がある。また、哺乳マウスでの発症は遅く6〜8日を要した。同定は1982年分離株モルモット抗血清で容易に中和された。

なお、本県では昨年エンテロウイルス71型による手足口病が流行したが、CA16も3株分離されている。

島根県衛生公害研究所 飯塚節子 板垣朝夫

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