夏季のインフルエンザウイルスB型流行による学級閉鎖−仙台市

1997/98シーズンは、仙台市ではインフルエンザA(H3N2)型の流行が3月まで続き、B型は2月に1株、4月に4株、5月に3株(2月は三重型、4月以降は広東型)分離されるにとどまっていた。このことから、仙台市全体としてはB型の大きな流行はなかったと考えられる。

仙台市内の某小学校で、1998年6月1日に3年生の1つのクラスで6名がインフルエンザ様の症状を示し、1例からインフルエンザウイルスB型が分離された。3日には同じクラスの約1/3にあたる10名が同様の症状を示したため翌4日は学級閉鎖となった。同様の症状を呈する児童はすべての学年で増加し、12日には全校12クラス中4クラスで学級閉鎖となった。6月末までに患者数は次第に減少した。流行期間中に合計3名の児童からインフルエンザウイルスB型(広東型)が分離された。仙台市で大きな流行が確認できなかった中で小学校における流行が起きた原因として、大多数の児童が長時間スクールバスに乗って通学していることから、バスの中でウイルス感染が広がった可能性が考えられる。

国立仙台病院ウイルスセンター
水田克巳 岡本道子 近江 彰
仙台市永井小児科医院 永井幸夫
国立療養所秋田病院・国立仙台病院
ウイルスセンター   宮本 勉
仙台市衛生研究所   横山新吉
新潟大学医学部公衆衛生学教室 鈴木 宏

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