<速報> 同一市内でほぼ同一時期に発生したエコーウイルス9型および30型による無菌性髄膜炎−群馬県
現在のところ、1998年の本県での無菌性髄膜炎(AM)の起因ウイルスはエコーウイルス30型(E30)が主体であるが、E9とE30によるAMの発生が同一市内でほぼ同一時期に発生したので以下に報告する。
E9によるAMの症例は5例(小児2例、成人3例)で、E30の症例は6例で全例が小児(3〜10歳)であった。患者の主な臨床症状および所見は発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直、髄液細胞数増加で、E30とE9によるAMの臨床症状および所見に大きな違いはみられなかった。E30によるAMでは全例の髄液からウイルスが分離された。7月上旬以降、本県のAMから分離されたウイルスはE30が主体であるが、今後もE9に対する監視が必要であろう。
群馬県衛生環境研究所
木村博一 塩原正枝 中村雄策 赤見正行 小林洋平 大月邦夫
群馬県保健福祉部保健予防課 小林良清 辺見春雄
群馬中央総合病院小児科 須永康夫 田代雅彦