ニュージーランドでのジフテリアの発生
ニュージーランドのオークランドで、咽頭炎に罹ったワクチン未接種の32カ月の子供の喉から、毒素産生性のジフテリア菌が分離された。患児は抗生剤が奏効し、入院および抗毒素は必要としなかった。これはニュージーランドでは1987年以来初めての毒素産生性ジフテリア菌分離例である。本例は乳児、小児をはじめ成人までがジフテリアに対して完全に免疫されていることを確認する必要性を強調した。
オーストラリアでは1993年に1例が報告されて以来、毒素産生性ジフテリア菌によるジフテリアの届け出はない。しかし、毒素産生性および非産生性のジフテリア菌はオーストラリアの一部に常在しており、重症例が発生する可能性は残っている。無免疫、あるいは適切な追加免疫を受けずに免疫が減弱している子供および大人には罹患する危険性と地域に拡散させる危険性がある。すべての子供と大人はThe National Health and Medical Research Councilの勧告に従ってワクチンを受けるべきである。
(オーストラリアCDI、22、No.9、188、1998)