5歳以下の小児における重症インフルエンザ菌感染症、1990〜1996−米国・カリフォルニア州

インフルエンザ菌(Hi)は髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、関節炎など種々の重症感染症を起こす。ワクチンが導入される以前(1988年以前)はb型インフルエンザ菌(Hib)が5歳以下小児の重症Hi感染症の95%を占めていた。1988年に Hibワクチンが18カ月〜5歳までの小児に導入され、1990年には定期接種として勧告され、1989〜1995年にかけて、5歳以下小児における Hib感染症は95%減少した。今回、 Hib感染症の減少を確認し、非b型のHi感染症の状況を把握するために、 CDCはカリフォルニア州保健当局と協力して1990〜1996年のカリフォルニア州における報告例を検討した。

カリフォルニア州では重症Hi感染症は1989年以来届出疾患に指定されている。1990〜1996年の間に1,014例の5歳以下の重症Hi感染症が報告され、591例(58%)がHib、160(16%)が非b型Hi、263(26%)が型別不明であった。1990〜1996年で Hib報告数は99%減少(1990年の 346例、人口10万当たり13.9→1996年の4例、人口10万当たり0.1)した。型別不明のHiによる感染症は93%減少(同 134例→10例)した。1990年〜1996年の間では非 Hibによる感染症の罹患率はあまり変化なく、平均年間罹患率は5歳以下小児10万当たり 0.9であった(TABLE 1)。1歳以下の患者比率は、非 Hib例では59%、 Hib例では61%と差はなく、非 Hibの平均年間罹患率は男性(0.9)と女性(0.8)で差はなかった。
(CDC、MMWR、47、No.35、737、1998)

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