シガテラ毒素中毒、1997−米国・テキサス州
1997年10月21日、東南テキサス中毒センターはテキサス州フリーポートに停泊中のノルウェー船籍の貨物船の船員の間でカマスによるシガテラ毒素中毒の発生の報告を受けた。10月12、13日、23人中17人が悪心、嘔吐、下痢、腹痛を訴え、その後、筋力低下、筋肉痛、口のしびれ、掻痒感、手足の掻痒、眩暈等の神経症状が伴った。症状は10月12日午後7時に魚を食べてから、2〜16時間(中位数 4.5時間)に起こっていた。10月21日17人全員が診療所を受診した。治療は対症療法で、入院した人はいなかった。
食品の摂取歴より、中毒の原因として11日にバハマ沖で獲ったカマスが考えられた。17人がこのカマスを食べ、全員が発症したが、食べなかった8人は誰も発症しなかった。患者の便培養ではサルモネラ、赤痢、カンピロバクター、エルシニア、ビブリオは陰性であった。ハワイ大学病理学教室で、冷凍保存されていた患者が食べたカマスと一緒に獲った生の別のカマスおよびタイを膜免疫ビーズ法で検査したところ、両者ともシガテラ毒素が陽性であった。
(CDC、MMWR、47、No.33、692、1998)