B群髄膜炎菌性疾患の集団発生、1995&1997−米国・フロリダ州

1995年7〜8月にマイアミ・デイド郡のリゾート地域でB群髄膜炎菌性疾患の集団発生があった。7月8日にAホテルの客が発熱。7月9日にAホテルに遊びに来たことのあるBホテルに滞在している姉弟が発症した。姉は入院直後に死亡し、血液中からB群髄膜炎菌が検出された。調査の結果、Aホテルに泊まるか立ち寄るかした一人の客がB群髄膜炎菌による髄膜炎を起こしていたことがわかった。滞在客および従業員480人(対象の66%)に対してリファンピシンの予防投与が行われたが、約5週間後に、当時Aホテルで子供の世話をしていた17歳の少女と世話をうけていた子供が発症した。子供とその家族は6月以来そのホテルに滞在し、最初の集団発生時に予防投与を受けていた。全滞在客および従業員に対して予防投与が行われ、それ以後患者は発生していない。

1997年12月にはフロリダの特別養護施設でB群髄膜炎菌感染が起きた。12月1日に看護士が2週間の感冒様の症状の後、意識混濁で入院したが、病原菌は検出されなかった。2日に彼の受け持ちであった90歳の患者が発熱と嘔吐を呈し、その翌日死亡、血液中からB群髄膜炎菌が検出された。5日にその患者の世話をしていた56歳の看護助手が発症し、髄液からB群髄膜炎菌が検出された。全スタッフと104人中103人の患者および約250人の訪問者に対してシプロフロキサシンの予防投与が行われ、6日〜10日まで施設全体を隔離状態にした。ところが10日に73歳の患者が発熱し昏睡状態となり、血液中からB群髄膜炎菌が検出された。彼は6日に行われた予防投与を拒否していた。

(CDC、MMWR、47、No.39、833、1998)

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