エコーウイルス17型の分離−広島市
エコーウイルス17型(E17)が1998年6月下旬以降13例分離されている(9月30日現在)。年齢は0〜27歳。診断名は無菌性髄膜炎5例、呼吸器疾患4例、乳児嘔吐下痢症1例、不詳3例。本市でのE17の分離は初めてである。
ウイルス分離にはヒト胎児線維芽細胞(HE)、HEp-2、RD-18S、Veroを用いたが、HE、RD-18S、HEp-2の順に感受性が高く、Veroでは分離されなかった。
同定には抗エコーウイルスプール血清「EP95」およびデンカ生研製単味血清(20単位)を用いた。7株は「EP95」の3と4で中和良好であったが、2株(無菌性髄膜炎)は「EP95」の3と4ではまったく中和されず、2でやや中和された。単味血清ではすべて完全に中和された。
昨年から流行している本市での無菌性髄膜炎の起因ウイルスはエコーウイルス(E)30型が主流であったが、9月に入ってからE17が半数を占めている。その他、E11、E18、E24、コクサッキーウイルスB2型も少数ながら分離されている。
広島市衛生研究所
桐谷未希 上村真由美 阿部勝彦 池田義文 山岡弘二 荻野武雄