小児におけるインフルエンザ菌b型感染症の撲滅にむけて、1987〜1997−米国
1988年にワクチンが使用可能になる以前はインフルエンザ菌b型(Hib)は就学前小児の細菌性髄膜炎の最も主要な起炎菌であったが、1993年以来、5歳以下小児における重症Hib感染症(髄膜炎や敗血症)罹患率は95%以上減少した。
5歳以下小児における重症インフルエンザ菌(Hi)感染症は、1996年には280例(小児10万当たり1.5)、1997年は258例(小児10万当たり1.3)の報告があり、これらは1987年(小児10万当たり41)に比し97%減少していた。血清型が判明しているなかで、Hibによるものは1996年32%、1997年は41%であった。1996年と1997年の重症Hib感染症と確認されている144例のなかで、69例(48%)は6カ月未満で、Hibワクチン3回接種を行うには小さすぎた。75例(52%)はワクチンを受けられたはずであるが、このうち48例(64%)は不完全接種あるいはワクチン歴不明であった。27例は基礎接種を終了し、さらに14例は追加接種も受けていた。予後の判明している115例中5例(4%)が死亡していたが、これらは6カ月未満で、ワクチンは1回のみか全く受けていなかった。
(CDC、MMWR、47、No.46、993、1998)