今冬におけるインフルエンザの臨床経過中において脳炎・脳症を発症した患者の発生動向調査について(依頼)

健医感発第10号
平成11年1月19日


  都道府県
各 政令市  衛生主管部(局)長殿
  特別区

厚生省保健医療局結核感染症課長

インフルエンザによる脳炎・脳症の合併症発症の可能性は、専門家の間では指摘があったが、1997年〜1998年のインフルエンザシーズンは、全国で127万人と過去10年間で最高の患者数となったことに伴い、インフルエンザに伴う脳炎・脳症による死亡例が報告された。

このため、今般下記によりインフルエンザの臨床経過中において脳炎・脳症を発症した患者の発生動向調査を実施することとしたので貴管下の保健所および地方衛生研究所並びに関係医療機関等の協力が図られるよう格別のお取り計らいをお願いしたい。

1.報告について

 (1) インフルエンザの臨床経過中において脳炎・脳症を発症した患者を診断あるいは検索した医師は、最寄りの保健所に対し連絡を行うものとする。
 (2) 連絡を受けた保健所は、別添「連絡票」を作成し、速やかに本庁所管課に連絡する。
 (3) 連絡を受けた本庁所管課は、速やかに厚生省保健医療局結核感染症課に連絡を行う。
 (4) 報告の対象とするインフルエンザは、1)臨床診断のみによるもの、2)臨床診断に加え、家族に既にインフルエンザウイルスの確定診断がなされている例と疫学的な関連が考えられるもの、3)臨床診断に加え確定診断がついているものを対象とします。

なお、インフルエンザの臨床診断とは、39.0℃以上の発熱、呼吸器症状、頭痛を伴って急激に発症するものとし、確定診断はウイルス分離あるいは抗原の直接的検出とする。

また、脳炎・脳症の診断は、発熱および何らかの意識障害を伴うものとし、いわゆる熱性痙攣およびその他の重積状態は除くものとする。

2.検体の採取について

厚生省保健医療局結核感染症課において、連絡を受けた後、症例により検体の採取を依頼する場合があります。

3.調査期間について

平成11年1月1日〜3月末日まで

なお、1月1日から本通知受領までの過去の期間については遡って、ご報告願います。

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