世界の人ペスト、1996年

1996年にWHOに報告された人ペスト事例は、患者3,017人、死亡者205人であった。この数字は1995年の2,861事例より少し増加していること、そして、過去10年間(1986〜1995年、21カ国、患者17,189事例、死者1,595人)の平均値1,719事例を大幅に上回っていることを示した。南北アメリカ大陸では少し減少しているのに対して、アフリカでは2,576事例(1996年報告の85%以上を占める)が報告された。

1996年の世界におけるペストの致死率は約7%であった(1995年は4.8%、1986〜1995年の年平均は9.3%)。世界の人ペスト総事例数を国別に見ると、1995年と同様、最も多い54%に当たる1,629事例がマダカスカルで、続いて、31%に当たる947事例がタンザニア共和国連邦で検出された。

1982〜1996年における人ペスト患者の発生状況を見ると、24カ国、23,904事例、死亡者2,105人で、その中でも1994〜1996の3年間が最も多い発生件数(1994年2,935事例、1995年2,861事例、1996年3,017事例)を示し、最も少なかったのは1985年の522事例であった。WHOに報告された人ペスト事例は1990年代初めから確実に増加傾向を示している。
(WHO、WER、73、 No.47、366、1998)

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