小児への予防接種推奨スケジュール、1999−米国
毎年、CDCの予防接種勧告委員会(ACIP)はメーカーのワクチン組成の変更、認可済みワクチンの使用法の改訂、新たに認可されたワクチンの使用法などに対応できるように予防接種スケジュールの見直しを行っている。本報告においては1999年用の推奨スケジュールを発表し、1998年1月以来の主な変更点を解説する。
1)ポリオワクチン投与における最初の2回に不活化ワクチンを投与すること:ポリオ撲滅の進展に伴い、ワクチンによる麻痺の危険性を少なくする必要性と不活化ワクチンが親や臨床医に認知されていることを踏まえて、ACIPとAAFP(米国家庭医学会)、AAP(米国小児科学会)は、ポリオワクチンの最初の2回に不活化ワクチンの使用を推奨する。ACIPはさらに、2カ月時と4カ月時に2回不活化ワクチンを投与した後、12〜18カ月時と4〜6歳時にそれぞれ1回ずつ生ワクチンを投与する合計4回の投与スケジュールを推奨する。4回すべてのワクチン投与に不活化ワクチンを使用することも可能であり、免疫不全者や家族内に免疫不全者がいる場合には推奨される。生ワクチンはもはや最初の2回投与には推奨されないが、特殊な状況の場合には可能である。
2)ロタウイルスワクチンの導入:8月31日、FDAにより幼少児のロタウイルス胃腸炎を予防するために経口ロタウイルス4価ワクチン(RotaShieldR)が認可された。ロタウイルスワクチンは2、4、6カ月時にそれぞれ1回ずつ経口投与し、1歳までに3回投与を完了すべきである。ただ、ACIP、AAFP、AAPはこのワクチンが実際の体制に組み込まれるためにはもう少し時間が必要としている。
3)0〜19歳におけるB型肝炎ワクチン(Recombivax HBR)の使用:8月27日、Merck社はFDAにより11歳以下の小児とHBs抗原陰性の母親から生まれた乳児用に認可されていた2.5μg/0.5mlのRecombivax HBR小児用B型肝炎ワクチンの生産を中止した。今後5μg/0.5mlのワクチンが母親のHBs抗原にかかわらず、すべての0〜19歳の接種者に適用される。ワクチン容量を単純化することとワクチンの正確な投与量に関する混乱を避けるために変更された。その他の認可済みB型肝炎ワクチンについては変更はない。
4)ジフテリアと破傷風トキソイド・無細胞百日咳ワクチンの推奨:ジフテリア・破傷風・無細胞百日咳三種混合ワクチン(DTaP)がジフテリア、破傷風、百日咳に対する初回接種の推奨ワクチンとなった。これによりDTaPが一連のDTPすべての接種における推奨ワクチンとなった。全菌体ワクチンもDTaPが使用できないときには使用可能である。
(CDC、MMWR、48、No.1、12、1999)