米国陸軍訓練兵におけるノーウォーク様ウイルス胃腸炎の発生、1998年−米国・テキサス州
1998年8月27日〜9月1日の間にテキサス州のエルパソにある米国陸軍トレーニングセンターの1ユニットの兵士835名のうち99名(12%)が急性胃腸炎で入院した。調査によりノーウォーク様ウイルス(NLV)によるものと判明した。
患者入院時の便検体から細菌および寄生虫は検出されなかった。24検体がCDCに送付され17がNLV(genogroup II)のRT-PCRで陽性となった。基地の2つの食堂(DF1、DF2)従業員の面接により、DF1の一人のパン焼き職人が8月26日に症状があったことと、DF1の食品を扱っていない他の従業員の一人が8月27〜29日のあいだに胃腸症状があったが自然軽快していたことが判明した。DF2では症状のあった従業員はいなかった。
兵士の質問票調査により、86例の入院した兵士のうち84例は調査の10日以内にDF1で食事をしていたが、237例の入院しなかった兵士のうちDF1で食事をしていなかったのは41例(11%)であった。237例中40例(17%)は同様の下痢症状があった。
集団発生の原因を特定するために、因子別に多変量解析をおこなったところ、DF1での食事と炭酸ガス入り飲み物販売機が発症と強く関連していた。
(CDC、 MMWR、 48、 No.11、 225、 1999)