コクサッキーウイルスA6型の分離−大分県
大分県大分市の感染症発生動向調査(図)定点で、1999年4月上旬〜5月下旬にかけて採取した手足口病患者とヘルパンギーナ患者の検体からコクサッキーウイルスA6型(CA6)を分離した。
ウイルス分離・同定検査は、哺乳マウスに患者検体(咽頭ぬぐい液)を接種し、麻痺の現れたマウスの筋組織からウイルス液を抽出し、感染研から供与された抗体(免疫腹水)と自家製の抗体を用いて補体結合反応試験により行っている。麻痺の出現は例年より早く、3日目までの発症であった。
大分県においては、CA6は1991年のヘルパンギーナの主な起因病原体として報告後、1996年に2株分離報告があるのみで、それ以後分離されておらず、今後の動向が注目されるウイルスと考えている。
大分県衛生環境研究センター 小野哲郎 塚本伸哉 小河正雄