手足口病患者からのコクサッキーウイルスA16型の分離−愛媛県

愛媛県における本年の手足口病発生状況は、感染症発生動向調査によると、、第15週 (0.36人/1定点当たり/週)から増加が見られ、20週に入り3.56人と急増した。

患者の増加に伴い、4月頃から手足口病患者のウイルス分離検体が増加し、5月末までに患者38名の咽頭ぬぐい液27件、水疱内容物16件、計43件の分離検査を実施した。月別のウイルス分離状況を表1に示した。4月12日以降、CA16が患者18名から18株分離され、また、その他のウイルスは分離されていないことから、本年の手足口病の原因ウイルスは、昨年に続き、CA16であることが示された。

次に、材料別、細胞別のCA16分離状況を表2に示した。咽頭ぬぐい液27件中8件から、また水疱内容物16件中10件(63%)からCA16が分離され、水疱内容物からの分離率が高率であった。また、ウイルス分離に用いたFL、RD18-S、Veroの各細胞では、FL細胞が最も高い感受性を示した。

なお、本年の手足口病患者には髄膜炎や脳炎等の合併症はこれまでのところ報告されていない。

愛媛県立衛生環境研究所
吉田紀美 近藤玲子 山下育孝 大瀬戸光明
石丸小児科医院    中野省三 石丸啓郎

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