C群ロタウイルスの検出例−島根県
1999年4〜6月に感染性胃腸炎患者便からRPHA法を用いて5例のC群ロタウイルスを検出したので概要を報告する。
C群ロタウイルスが検出されたのは4、5月各1例、6月3例であり、患者は成人1例、小児4例であった(表)。
今シーズンの本県における感染性胃腸炎の患者発生は1月をピークとする例年どおりの発生パターンであったが、3月以降も患者数は横這い(ピーク時の半数程度)状態で7月に至った。原因ウイルスとして1998年12月〜1999年2月にNorwalk様ウイルス、2〜5月にA群ロタウイルス、そして4〜6月にC群ロタウイルスが検出されており、原因ウイルスが次々と入れ替わったことが患者発生長期化の一因と推察される。
ちなみに当所では1992年からRPHA法によるC群ロタウイルスの検索を行い、1992年11月〜1993年5月にかけ22例が検出される小流行を経験している。そして、その後本年まではC群ロタウイルスは検出されていなかった。
島根県衛生公害研究所
飯塚節子 武田積代 松田裕朋 板垣朝夫
岡山県環境保健センター 藤井理津志