インフルエンザワクチン接種の促進−英国

インフルエンザに対する予防接種は、とりわけインフルエンザ様疾患に感染した場合に症状が重くなる危険のある、75歳以上の高齢者、長期間にわたる施設入居者、喘息等の慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、慢性腎疾患を患っている人、また、免疫抑制状態にある人に対し、入院や致死的症状が進行する危険性を減少させる効果がある。英国では毎年、10月末までにこれらの人々に対しワクチン接種を行ってきた。本年は、インフルエンザ様疾患感染の危険の高い人々すべてをカバーすることのできる860万回接種分のインフルエンザワクチンを用意している。本年は2000年を祝う祝賀会が盛大に行われることが予想されることから祝賀会のスタッフにも必要ならワクチンを接種する。

英国では、既に2人からA(H3N2)型インフルエンザウイルスが分離されており、このウイルスは本年のワクチン株と非常によく似たウイルスであった。その他にも2株のA(H3N2)型が分離されている。また、スコットランドでも既にA(H3N2)型の分離報告がある。

インフルエンザ以外の呼吸器疾患では、RSウイルスが例年通り12月末頃にピークになり、Mycoplasma pneumoniaeは4年ごとの流行サイクルからするとあまり多くの患者を出さないと考えられ、インフルエンザを十分予防することが重要であろう。

(CDSC、CDR、9、No.45、399、1999)

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