西ナイルウイルス脳炎、1999年(続報)−米国・ニューヨーク

1999年10月19日現在、ニューヨーク市における西ナイルウイルス(WNV)感染者は、確診31例と疑診25例を合わせた56例で、うち同市を訪れたカナダ人1名を含む7名が死亡している。

9月12日〜10月4日の間、ニューヨーク市、ナッソー郡、サッフォーク郡で採取されたイエカ11プールからWNVが検出された。また、コネチカット州フェアフィールド郡およびニューヘブン郡で剖検されたトリの脳からWNVが分離されている。WNV陽性であった鳥類はカラスが主だったが、その他カモメ、カッコー、小バト、ツル、カケス、ワシ、サギ、マガモ、コマツグミ、タカでも確認されている。

CDCで実施された実験室レベルの研究により、ニューヨーク市でヒトに集団発生したアルボウイルス性脳炎の病原体はWNVと確定した。また、WNVと遺伝子学的に同一のものであることが米国陸軍感染症医学研究所の共同研究者によって確認された。すなわち、6例のヒト剖検材料から抽出されたRNAから、WNV特異的遺伝子をRT-PCR法を用いて増幅した。死亡したトリと蚊から分離されたWNVの塩基配列は、ヒト剖検材料からのものと同一であった。分離株の抗原マッピングはCDCで開発されたモノクローナル抗体(Mabs)または、オーストラリア・クイーンズランド大学の共同研究者から提供された抗体を用いて実施された。エンベロープ糖蛋白特異Mabにより、西ナイル、クンジン、セントルイス脳炎ウイルスの鑑別が可能である。分離株はWNVと同一の塩基配列であることが確認された。

(CDC、 MMWR、 48、 No.41、 944、1999)

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