ロタウイルスワクチン推奨の取り下げ−米国

1999年7月、CDCはアカゲザル・ロタウイルス4価ワクチン(RRV-TV、商標名Rota Shield、Wyethラボラトリー社製)の使用を少なくとも同年11月まで延期するよう勧告した。これは、ロタウイルスワクチン接種を受けた乳児15人が腸重積を起こしたことが、ワクチン副作用報告システム(VAERS)より報告されたためである。これに合わせてワクチン製造業者は、米国食品医薬品局(FDA)の指導を受けて、同ワクチンの流通を自主的に停止した。1999年10月22日、予防接種諮問委員会(ACIP)は合併症例についての科学的データを検証し、RRV-TV接種後1〜2週間で腸重積の発生が有意に増加していると結論した。これに従いACIPは、米国でRRV-TVを生後2、4、6カ月児に接種することを今後推奨しないとした。7月までにロタウイルスワクチン接種を受け、健康でいる小児は、腸重積の危険性は増加しないとしている。ロタウイルスワクチンと腸重積との関連の詳細については、さらなる研究が必要である。

世界全体でのロタウイルスによる疾病負担は重大である。そのためACIPによる本決定は、疾病負担が相当に高く、ロタウイルスワクチン接種の恩恵と危険性が異なる地域では、適応されない場合がある。

(CDC、 MMWR、 48、 No.43、 1007、 1999)

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