世界のHIV/AIDS流行の現状

WHOとUNAIDSは､1999年末の世界のHIV感染者(AIDS患者を含む)が3,360万人であり､うち560万人が1999年の新規感染者であると推計した。毎日15,000人が新たに感染したことになる。1999年の新規感染者のうち57万人は15歳未満の子どもだった。また､AIDSの大流行から今年末までのAIDSによる死亡者数は1,630万人であり､1999年の死亡者数は260万人となる見込みである。今年の死亡者のうち約５人に１人は子どもであり､大人の51％は女性であった。

1999年11月15日現在､WHOに公式に報告されたAIDS患者数は220万1,461人である。昨年11月と比較すると21万4,244人(約10％)の増加であり､先進国における新規AIDS患者発生数の減少が､途上国､特にサハラ以南アフリカ地域での患者数増加に相殺される状況となった。

地域別に見ると､サハラ以南のアフリカ地域に､1999年に新たに発生したHIV感染560万人のうち380万人が居住している。また､この地域の人口は世界人口の10分の１に過ぎないにもかかわらず､1999年に220万人がHIV/AIDSで死亡し､世界全体のHIV/AIDS死亡の85％を占めた。現在､2,230万人の大人と100万人の子どもが感染しているが､女性の感染者数が男性の感染者数を上回っている。南東アジアでは､600万人の大人と子どもが､南米およびカリブ地域では､170万人の大人と子どもが感染していると推定される。南米およびカリブ地域では､主として男性間の性的接触と静脈薬物濫用により感染が広がっている。東ヨーロッパおよび中央アジアは､最も感染増加が著しかった。36万人の患者・感染者のうち大部分は静脈薬物濫用による感染である。北米､西ヨーロッパ､太平洋地域の先進諸国では､抗ウイルス剤の普及によってAIDS発症､死亡､母子感染が減少を続けているが､新規HIV感染者数は近年横ばいであり､1999年末の推計HIV感染者数は150万人であった。

(WHO､ WER､ 74､ No.47､ 401､ 1999)

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