麻疹撲滅計画:世界における進展、1998〜99年

1998〜1999年における麻疹撲滅計画の世界における進展について、1999年8月時点での報告をしたものである。

1998年の世界における麻疹の予防接種率は、72%と報告されており、1997年の79%と比較すると低下が認められる。1998年の麻疹の予防接種率を地域的に見てみると、アフリカ地域49%、アメリカ地域86%、東地中海地域78%、ヨーロッパ地域71%、東南アジア地域67%、西太平洋地域93%と報告されている。また、WHOに対して麻疹予防接種率を報告した国数は1998年は164カ国であり、1997年における182カ国より減少している。特にヨーロッパ地域は57%の国が報告しているだけで、他の地域に比べて低い報告率である。

1998年の世界における麻疹の報告患者数は596,998であり、1997年の744,466と比べると、16%の低下が認められる。特に、麻疹の報告患者数の低下が著しいのは、アメリカ地域(75%減)、ヨーロッパ地域(59%減)、東南アジア地域(45%減)である。1998年の麻疹の人口10万対罹患率を地域的に見てみると、アフリカ地域55.9、アメリカ地域1.6、東地中海地域11.1、ヨーロッパ地域4.9、東南アジア地域4.2、西太平洋地域5.0と報告されている。

また、WHOに対して麻疹患者数を報告した国数は1998年は173カ国であり、1997年の199カ国より減少している。特にヨーロッパ地域は60%の国々が報告しているだけで、他の地域に比べて低い報告率である。

最後に、WHOは麻疹撲滅計画にあたって以下の戦略の重要性を強調している。1)麻疹通常予防接種率の向上、2)補足的予防接種(catch-up, keep-up, and follow-up)の実施、3)麻疹サーベイランスの強化。
(WHO、WER、74、No.50、429、1999)

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