髄膜炎菌感染症の増加−スコットランド
スコットランド髄膜炎・肺炎球菌リファレンスセンターの概況データによると、1999年12月に入ってから、患者報告数が予測数を70例ほど上回っており、インフルエンザの流行が発生したと同時期に、髄膜炎菌による感染症が顕著に増加していることが確認された。センターによると1999年には患者報告数は356例、死亡19例であり、1998年には患者報告数320例、死亡18例であった。2000年の最初の3週間で53例が報告され、3例の確診死亡例と、3例の疑い死亡例も報告されている(昨年同期には症例20、死亡1例)。1993/94、1996/97の2つのインフルエンザ大流行の際も他の年に比べ多くの髄膜炎菌感染症発生件数が記録されている。
最近の症例の増加はNeisseria meningitidis Bによるものである。過去10週間にみられた症例の65%はこのB群の感染によるもので、26%がC群によるものであった。これに対し、昨冬は39%がB群、61%がC群であった。患者は20歳以上の年齢層で顕著な増加を示し、5歳〜14歳の年齢層でのみ発症率が低下していた。
(Eurosurveillance Weekly、 No.4、 2000)