天然痘研究諮問委員会報告、1999年12月
1999年5月のWHO総会で、現在、アメリカ合衆国とロシア共和国の2国に保存されている天然痘ウイルスを、研究目的のため2002年まで保存することが決議された。この決議に伴い、天然痘研究諮問委員会が組織され、1999年12月に、2002年までにどのような研究が必要、また可能であるかが討議された。その結果、以下の研究項目の優先順位が高いと確認された。
1)天然痘ウイルスの遺伝子解析
2)天然痘の診断方法の開発と検定
3)天然痘の治療薬の検定
4)天然痘ウイルスによるモノクローナル抗体の作製
5)天然痘ワクチンの開発と検定
6)天然痘の動物実験モデル
委員会は、これらの研究の実施は2002年を過ぎてはならず、現存する天然痘ウイルスは2002年に廃棄されるべきであると勧告している。
(WHO、 WER、 75、 No.6、 45、 2000)