ワクチン添加物としてのチメロサール

チメロサールは水銀を主成分とし、主として複数回接種用ワクチンのバイアル内汚染(混入感染)を防ぐ目的で、防腐剤としてDPT三種混合ワクチン・B型肝炎ワクチンなどに添加されている(訳注:日本では、インフルエンザ、B型肝炎、日本脳炎などのワクチンに添加されている)。WHOはワクチン添加物としてのチメロサールについて以下のような発表を行った。

ワクチンに含まれるチメロサールによる副反応は、軽度の皮膚過敏症の他には確認されていない。また、チメロサールを使用しない場合の複数回接種用バイアルにおける混入感染の危険性、および、チメロサールに替わる適当な保存剤が存在しないこと、を考慮すると、今後もワクチン保存剤としてのチメロサールの使用を続けていくことは不可避だと考えられる。しかし、「水銀製剤の使用を減少させていく」という公衆衛生上の趨勢により、WHOは段階的にワクチン保存剤としてのチメロサールの使用を減少させていくことを提言し、新しいワクチン用防腐剤の研究、防腐剤を必要としないですむワクチン接種の方法の開発などを推奨している。

さらに詳しい情報はホームページhttp://www.who.int/vaccines-diseases/safety/hottop/thiomersal.htmを参照。

(WHO、 WER、 75、 No.2、 12、 2000)

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