麻疹の流行−アイルランド
2000年1月1日〜2月8日までの間に、37例(うち4例は血清学的に確認)の麻疹症例がアイルランドのEastern Health Board(ダブリン市とWicklow 郡、Kildare郡を含む、人口130万を管轄)に報告された。13名が入院し、3名が集中治療を要した。1999年には年間108名の報告があり、月平均にすると9名の発症である。
入院した患児のうち9名はアイルランドでMMR の初回接種が義務づけられている15カ月齢よりも幼く、1名は発症の5日前に接種を受けており、3名は予防接種を受けていなかった(2歳、2歳、11歳)。届けられた症例のうち3名は予防接種を受けていた。
Eastern Health BoardでのMMR接種率は74%であり、これは未接種児の間で短期に流行を引き起こすのに充分な低さである。
Eastern Health BoardはGP(訳注:一般臨床医、プライマリケア医、ファミリードクター。アイルランドではGPがワクチン接種の担い手)らに麻疹の増加に対する警告を発し、子どもにMMR ワクチンを受けさせるよう親たちに働きかけることを依頼した。病院では、麻疹の診察経験のない若いスタッフが麻疹症例を見逃してしまうことを考えて、診断を確定して迅速に報告することを重要視している。Department of Health and Childrenと国立疾患サーベイランスセンターが状況を監視中である。
(Eurosurveillance Weekly、 No.6、 2000)