ティーンエイジャーのキャンプでのSTEC O111:H8の集団発生、1999年−米国・テキサス
(Vol. 21 p 99-99)

1999年6月、650名が参加したチアリーダーのキャンプで、58名が腹部不快(100%)、悪心(62%)、頭痛(56%)、嘔吐(38%)、血性下痢(37%)、38℃以上の発熱(29%)を呈した。うち2名が溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併し、別の2名が虫垂炎切除を受けた。患者2名の便からEscherichia coli O111:H8が分離され、志賀毒素(VT)は1型・2型とも陽性であった。実地疫学調査により、感染源は汚染されたサラダであり、樽入りの氷を通じて二次的に拡散したものと推測されたが、断定には至らなかった。

MMWR編集部によると、米国ではO157以外の志賀毒素産生性大腸菌(STEC)ではO26に次いでO111が多い。毎年米国で11万人が発病していると推測されるSTEC感染症のうち、30%以上がO157以外の血清型によると考えられている。1990年に家庭内での集団発生がオハイオ州から報告されているが、地域内でのO111集団発生は本事例が初めてである。

(CDC、 MMWR、 49、 No.15、 321、 2000)

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