ノーウォーク様ウイルス(NLV)の集団発生、1999年−ドイツ
(Vol. 21 p 100-100)

NLV感染が疑われる症例についてPCR検査のルーチン化がドイツのいくつかの州で導入されたのは1998年で、病原体不明の集団発生の原因解明が目的である。最近のEpidemiologisches Bulletinで、この検査法の成果が報告されている。

Saxony(人口 450万)で1999年に合計23,243件の感染性胃腸炎が報告された。このうち2,110件(人口10万人当たり47)がNLVによるもので、ロタウイルス、サルモネラ、カンピロバクターに次ぎ4番目に多いことが分かった。

集団発生事例は156件、3,349症例が報告された。NLVは発生件数の46%、症例数の61%を占めた。病原体が不明のものは全体の17%であった(PCR法が導入される以前の1997年では65%が病原体不明)。NLV集団事例の2,049症例のうち390例は微生物学的手法によって感染が確認されたが、残りの症例の診断は臨床的、あるいは疫学的になされた。検査室のキャパシティーが限られているため、PCR法の使用は集団感染事例および入院を要する重症例に限られた。実際は、このウイルスによる感染はもっと多いと考えられる。

(Eurosurveillance Weekly、 No.12、 2000)

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