メッカ巡礼者における髄膜炎菌性髄膜炎−欧州ならびに周辺地域
(Vol. 21 p 121-121)
英国(イングランドとウェールズ):2000年4月25日までに、メッカ巡礼関連の髄膜炎患者27名と保菌者3名が確認された。患者26名と保菌者2名はW-135群感染と確認された。うち10症例と1保菌者は巡礼者であり、残りはその接触者であった。患者年齢は新生児〜66歳、26症例中5名が死亡した。
フィンランド:60名のグループが巡礼に参加した。全員がA+C 群に対するワクチンを接種していた。3歳男児がA群に感染しており(同型は1992年以降フィンランド国内の報告無し)、巡礼者との接触があった。
フランス:3月22日〜4月25日に巡礼関連の16症例が発生、うち14症例でW-135群感染が確認された。検査した5症例中4症例でET-37に属するsubtype 2a: P1.2,5抗原が検出され、残り1例は異なった抗原性を有していた。14症例はそれぞれ異なった14地域で発生し、半数はパリ周辺地域にみられた。致死率は25%。7症例は全巡礼者と接触者に対する予防的治療勧告が出た後に発生した(1名は巡礼との関連無し)。
ドイツ:3月28日に発症したB群による1症例が報告されて以来、新しい情報無し。
オランダ:W-135群による髄膜炎患者4症例が報告され、うち2症例が巡礼と関連ありと確定した。確定2症例は1歳と2歳の男児で、両者には関連はないが、それぞれの祖父母が巡礼者であった。2人ともW-135:2a:P1.2,5が確認された。
ノルウェー:巡礼関連の髄膜炎患者報告は無し。W-135による髄膜炎が1例あったが、巡礼とは関連無し。
スコットランド:W-135髄膜炎は1例あったが、巡礼とは関連無し。
スウェーデン:3歳男児1例のみ(父親が巡礼者)。
デンマーク、イタリア、ルクセンブルク、スペイン:巡礼関連の髄膜炎患者報告は無し。
オマーン:巡礼関連12症例が報告され、全例回復。
パキスタン:巡礼関連1症例が報告され、W-135群が分離されている。
サウジアラビア:巡礼以降199症例が発生し55例が死亡。過去最大規模の130万人がメッカを巡礼した。
(Eurosurveillance Weekly、 No.17、 2000)